2、北海道の郵便事業の沿革−創業から戦前まで

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 明治 2年 6月  蝦夷開拓総督鍋島直正中納言議官函館に来て諸般の政務を署理、官文書往復の便を企図、駅路逓伝の掟を定め人馬の賃金を定めたことに始まる。
    4年 2月  賞状賃銭切手発行
         48文・100文・200文・500文の4種の切手発行
   〃  8月  郵便役所創設
         函館に郵便役所置く、同8年1月郵便局と改称
    6年 4月  郵便局の等級制
         函館1等・札幌小樽2等・福山江差3等・その他4等
   〃  6月  駅逓管理機関
         開拓使札幌本庁民事局に駅逓課を置き、郵便に関する事務を掌理、函館支庁は民事課が分掌する
   〃 10月  陸路逓送創設
         函館−苫小牧−札幌・札幌−小樽に月6回・函館−福山−江差−久遠には月3回の郵便路線を開設
      7月 9日 枢路逓送定期開設
         開拓使附属汽船弘明丸・稲川丸函館・青森間定期を開き郵便逓送を行う(命令航路)。
    8年 1月  郵便為替創始
         函館局で初めて為替事務を取扱う。全国の郵便局の取扱いは明治33年10月1日より行う。
   11年 2月  郵便貯金創始
         函館局に貯金預方を初めて開く。13年1月駅逓貯金と称し20年3月郵便貯金と改称する。
   〃 11月  郵便受取所設置
         函館区鶴岡町弁天町に郵便受取所を設置する。
   14年 1月  鉄道逓送開始
         札幌小樽間の陸路逓送を廃し初めて鉄道送とする。
   15年 2月  3県分政治
         開拓使廃止、函館・札幌・根室の3県で分割管掌
   〃 11月  郵便物種別及び均一料金制
         郵便条例制定以来の法規を統一し、郵便物を第1種乃至第4種に郵便料額を全国均一とする。
   16年 3月  函館に駅逓出張局設置(地方庁の管理より分離)
         駅逓編制法制定、函館・札幌・根室の3駅逓区とし、7月函館にのみ駅逓出張局を置き全道管理
    〃    露国との郵便交換
         コルサコフ・函館間の航便を開き、信書は郵便とせず公用物として内地料金ですべて航送する。
   18年12月  逓信省創設
         農商務省より駅逓・管船、工務省より電信・灯台を継承し逓信省を創設する。
   19年 3月  逓信管理機関設置
         地方逓信官署官制々定、函館逓信監理局設置し本道及び青森県一円を管轄する。
         郵便局及び電信分局を1、2、3等に改正する。
   〃  6月  郵便集配区画確定
         この月、本道の郵便集配区画全てに備わる。
         区画制度は16年9月施行であったが詳細不明
   〃 11月  郵便局電信局合併
         地方郵便局電信局は状況により合併の方針定まる。
         20年12月この方針で函館郵便電信局となる。
   20年 2月  〒字形の制定
         8日付で〒字形を逓信省全般の徽章と定める。
   21年 4月  切手類売捌所設置
         切手類売捌所を設け受け持ち集配局の管理とする。
   〃 10月  外国為替開始
         1日より函館・札幌・根室・月形・市来知(三笠)の各局でフランス・イタリア両国間との郵便為替取扱う。
   22年 7月  3局管理
         郵便電信局管制々定、函館・札幌・根室の3局を1等局とし、それぞれ3区に分割管理とする。
   25年 5月  鉄道郵便係員の取扱い開始
         札幌郵便電信局の鉄道係員による沿道各局の郵便受渡しを開始する。
   26年 2月  小包郵便開始
         函館・札幌他9局で小包郵便取扱い開始する。
   〃 11月  1局管理に統一
         全道各局の管理を札幌郵便電信局が統一管掌する。
   28年 1月  外国小包郵便開始
         札幌・函館局でドイツ・カナダの小包郵便を開始。
   36年 3月  郵便局に電信・電話併用
         逓信官署官制々度郵便局は為替貯金のほか電信・電話を、電信局は電話の兼掌を定められた。
   39年 3月  振替貯金創始
         郵便振替貯金規則公布、郵便局が管掌する。
   43年 4月  管理機関独立(附海事事務継承)
         札幌逓信監理局設置札幌郵便局の管理事務及び元海事局所管事務継承、海事部を函館に、同出張所を小樽に置く。
 大正 2年 5月  北海道逓信局に、大正8年5月札幌逓信局に改称
   〃  4月  年金恩給支給開始
         国庫支弁の年金恩給、遺族扶助料支給事務を掌理
 大正 3年 4月  市公金取扱開始
         振替貯金による市公金を札幌区の各局に開始
    4年 3月  国庫金受払開始
         国庫金受払事務を郵便局に開始
    5年 8月  小樽貯金支局設置
         1日より事務開始、本道及樺太の原簿所庁とする。
   〃 10月  簡易生命保険開始
         簡易生命保険事務を郵便局に開始。
    7年 6月  水力調査事務管掌
         水力調査に関する事務を管掌。
   15年 2月  選挙無料郵便開始
         衆議院議員選挙運動の為に無料郵便取扱いを郵便局で開始。
   〃 10月  郵便年金事業開始
         郵便年金事務を郵便局に掌理
 昭和 3年 2月  月掛貯金開始
         1日より集金の方法による月掛貯金制度開始
    4年 3月  航空郵便開始
         内国航空郵便取扱開始・本道に於ては本年度試験飛行、昭和12年度より航空郵便路線開設予定
    6年 8月  名所史跡図案文字入通信日付印使用
         十日より湯川・洞爺・洞爺湖温泉・大沼の4局での使用を開始する。
 
    9年 4月  通信特別会計制度
         1日より通信事業特別会計法実施する。
   11年 9月  速達郵便開始
         11日より札幌・小樽両市に速達郵便制度を実施
              (『本道の逓信事業』・市立函館図書館)より