古武井青年学校に於ける実践(赤石英三氏からの聞き取り)

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 赤石英三氏は昭和13年、古武井小学校高等科を卒業、古武井青年学校本科に入学。昭和20年(1945)応召されたが、戦前・戦後とイカ釣り、昆布漁等に従事している漁師で古武井青年学校の職業科では漁業に関する基礎知識を主に学んだという。
 ①魚網に関する内容
 “網の修理の仕方”“ロープの結び方”などについて、座学による教授がおこなわれた。指導者は資格をもつ教員ではなく、青年団に所属する先輩の漁師−熟練者であった。青年学校の生徒の殆どは漁師であり、指導内容の多くは、ある程度経験していたと思うが、改めて基礎からやり直すことは、以降の実業に大変役に立ったと思われる。
 ②昆布漁法に関する内容
 “昆布の採取法について” 鎌を使った刈り取り・捩じりなど漁法・用具の取り扱いや、利点・欠点についての指導。また、投石による昆布礁づくりの基礎知識などを学び、その中で、昭和4年(1929)北海道駒ヶ岳の大噴火による昆布礁の甚大な被害とそれを克服した経験談などの話も聞いた。
 指導者はやはり青年団の先輩漁師で、小学校の教室で座学による教授が中心であった。尻岸内村は真昆布三石昆布の代表的な産地であり、また、全村民が昆布漁に従事しており、勿論、われわれも実業についていたので非常に役立つ内容であったと思う。