和人が始めて戸井に渡来したのは「戸井町の沿革」で述べたように、松前家の始祖蠣崎信広の渡島以前であるので、和人の足跡は上ノ国、松前、茂辺地などと共に最も古い地域である。
室町時代に戸井館を中心として住み着いていた和人が、蝦夷の反乱によって滅び、その後和人無住時代が長い間続いたが、松前藩の統治権が汐首以東に及ぶようになってから、寛永初年以降、漁業を営む和人が定住するようになったので、その頃から数えても、北海道としては草創の古い地域である。
然し草創の古い割には、経済的にも文化的にも貧しい地域であったため、古い時代の文化財の少ない地域である。
過去四回の町文化祭に出品された文化財及び六ヶ年に亘って調査した主な文化財は次の通りである。