昭和四十八年の施政方針(村長 長政友一)

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 (昭和四十八年広報とどほっけ新年号より)
   村民の皆様あけましておめでとうございます。希望に輝く昭和四十八年の新春を皆様とともに迎えることができましたことを心からお慶び申し上げます。
   さて過し昭和四十七年を顧りみますと、村の主産業であります漁業については、昆布の生産額は比較的順調に伸びましたが、イカの生産については予想外に減少し、沿岸漁業に依存する本村としては、憂慮された年でした。
   又八月三日には驚異的な集中豪雨に見まわれ各所に甚大な被害を受けましたが、村民皆様の協力で幸い人的被害がなく、復旧工事も早期に完了することができましたことを感謝申し上げます。
   昨年は当面する課題の中で生活基盤整備に重点を置き、諸事業を推進してまいりましたが、特に水産業の振興対策として漁場の海底調査並びに漁場造成事業(自然石投入)を実施しましたが、漁家経済の安定を図るため、今後も積極的に推進する所存でおります。
   産業の基盤となる村道の整備についても、浜町線と小学校道路線の改良舗装が完了し、一昨年より開さくしました林道絵紙山線も昨年完成しました。
   本年度は相線(銚子)の改良舗装を施行する計画でおります。
   昭和四十五年度から三ケ年計画で実施した簡易水道工事も昨年で完成しました。
   幼児教育に最も必要な施設である待望の保育所も、園児達が伸び伸びできる環境の優れた場所に新築できましたので、これからは豊かな人間の形成に役立つものと期待しております。
   消防施設の整備については、昨年は本部より遠距離にある元村班に、小型動力ポンプ付積載車を購入する等、計画的に充実を図っておりますが、今年は同機種の積載車を銚子班に購入する予定でおります。
   お蔭様で本村は、昭和四十二年以来六年にわたって無火災の好記録を続けておりますが、その功績により昨年十一月、北海道知事より『竿頭綬』受彰の栄与に輝きましたことは、誠にご同慶に堪えません。今後も消防力の充実には、一段と努力する所存ですので、防火には特段の協力をお願いいたします。
   又、観光開発と国民の保養を目的として、昭和四十二年に開設した国民宿舎『恵山荘』は、現在五十八名の収容能力ですが、年々増加する利用客に応えるため、昨年増築工事に着工し、本年六月末日完成の予定です。増築されますと収容能力も約百三十人になり、浴室もふえますので、村民の皆様には従来以上に利用していただけるものと期待しております。
   次に衛生施設では、広域行政の一端として、当村・戸井町尻岸内町の一部事務組合によるし尿処理センターを昨年完成させ、同時にゴミ処理施設を着工し本年夏頃完成する予定です。
   更に、皆様の予防保健対策として、昨年専任保健婦を採用しましたので、お気軽に相談され健康な毎日を送られるよう望んでおります。
   尚、国費・道費の導入により実施されている港湾整備事業・治山事業・海岸保全事業・道々椴法華港線・国道二七八号線の整備については計画的に推進されております。
   特に、一般海岸護岸については昨年で計画中の全工事が完成し、災害復旧護岸(銚子海岸)の一部を残すのみとなりました。
   国道二七八号線につきましても待望久しかった『銚子トンネル』が、三ケ年計画で昨年九月に着工され、計画通り実施されておりますことは誠に慶びに堪えません。
   今後も産業の発展と民心の安定のため一層尽力する所存であります。(以下略)

昭和四十八年度一般会計当初予算 (千円)