経営

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 前掲の『産業調査報告書・第十五巻』より略記する。
 
   資金
   資金ハ自己借入仕込受ケ或ハ一部ノ借入一部ノ仕込受ケ等種々ニシテ此内何レノ方法ニ依レルモノ幾何ナルヤハ確實ニ之レヲ知ルコト不可能ナルモ宗谷・増毛・根室・釧路・各支廳管内等ハ主トシテ其地海産商ヨリノ仕込受ケニシテ後志・檜山・函館・室蘭・浦河各支廳管内等ハ大形船ハ仕込受ノモノ最モ多ク一部ノ仕込自己資金順次之ニ次キ小形船ハ自己資金最モ多ク一部ノ仕込一部ノ借入順次之ニ次クモノゝ如シ。
   仕込受ケノモノハ漁獲物ヲ仕込主ニ渡シ資金ハ物品又ハ現金ニテ之ヲ受ケ新鱈期了リタル時一回又ハ漁業終了後ニ於テ總決算ヲナシ以テ貸借ヲ明ニスルモノナルニヨリ資金ノ回収及運轉上ニ就テハ特記スヘキ事頃ナシ自己資金及一部ノ借入レ等ノモノハ多クハ鮮魚ノマゝ又ハ製品ノ製了次第之ヲ市場ニ送リ賣上金ハ其都度又ハ月末等ニ回収シ又ハ多少ノ米噌類ハ無関係ナル商店ヨリ一時借入レ得ルノ便法アルニヨリ資金回収及運轉上ニ就テハ之亦特記スヘキモノナシ。
 
大正十一年椴法華村開鱈製造業者住所氏名
亀田郡椴法華村字島佐々木 彌兵衛同 元椴法華佐々木 初太郎
     同小谷 作蔵湊谷 富次郎
     同鎌田 與吉佐々木 富太郎
     同佐々木 初三郎北村 七三郎
     同岩上 初之助佐々木 由太郎
     同杉林 岩藏佐々木 富五郎
     同花咲 甚助安川 富藏
     同増田 長助

 

椴法華産鱈統計 大正七年椴法華村郷土誌

 傭人ノ金銭支給方法
   亀田郡地方
   大形川崎船ニアリテハ漁獲物賣却手取金ヨリ沖合ニテ使用スル餌料米噌薪炭公課金等一切ノ費用ヲ引去リ其残額ヲ九個四分ニ分チ漁船漁具及乘込員七名各一人分ツゝ及炊事女ニ四分ヲ分配ス
   持符船ニアリテハ船体ノ借入料ヲ凡二十五圓トシ其他沖合ニテ使用スル餌料木炭醬油味噌代等ヲ漁獲物賣却金ヨリ引去リ其残金ヲ乘込三人ニテ平等ニ配當シ公課ハ各自分担トス