安政二年(一八五五)の東蝦夷地海岸図台帳に、郷土の作物の収穫高が記されている。
鹿部　家二八軒
　畑　三千坪　粟三〇俵　大豆七俵　小豆一俵　ほかに大根　木瓜(きうり)　茄子(なす)
熊泊(大船)家一五軒　臼尻　家五一軒　板木(安浦)家五軒
　三か村で畑八五〇坪　粟一〇俵　大豆二二俵　小豆一一俵　そば三〇俵　稗四五俵
川汲　家二二軒
　畑　大豆一〇俵　小豆五俵　稗一〇俵
尾札部　家二二軒　うち出稼四軒　入稼一二軒
　畑　五百坪　大豆一五俵　小豆一五俵　稗一五俵　そば一八俵
椴法花　家二六軒
　畑　千五百坪　粟一五俵　大豆一二俵　小豆五俵　稗一三俵
　当時の戸口に対して、ここに記されている収穫高がどの程度の給足度となっていたのかはなかなか難しいが、前年の嘉永七年の六箇場所の書上と比較して、当時の農耕はかなりおこなわれていたことを推測することができる。