写真215 石川城跡内曲輪から検出された巨大な堀跡
さらに出土した遺物は、中世のものは中国青磁(碗・皿・鉢)、中国染付(碗・皿)といった貿易によって持ち込まれた中国陶磁器をはじめ、国産品では瀬戸・美濃の陶磁器(瓶子・香炉・壺・皿・鉢)なども出土している。鉄製品では釘や刀子(とうす)といったものが出土し、木製品では下駄が五点、桶底、箸、箆(へら)状木製品なども出土している。中心部分の曲輪をさらに堅固にするように内館の南西側からは、堀が設けられたほか、堆積土中の底面からおよそ六〇センチメートルほど上面から、焼けた石などが投げ捨てられたような状態で出土している(図78・写真216)。
図78 石川城跡検出の堀跡断面図
写真216 石川城跡発掘状況