(二)年中行事と生活

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 農民の年中恒例の行事は、おおむね次のようである。
(正月)元旦…正月行事。七日…七日正月。十二日…山の神様の年取り。十五日…小正月行事。十七日…馬頭観音の日。二十日…二十日正月。め(ん)だし。二十三日…二十三夜様。正月中…節分。

(二月)一日…厄年祝。十五日…涅槃会。二月中…彼岸。

(三月)三日…上巳(じょうし)の節句。

(四月)四月中…田打仕廻りに一日休日。

(五月)五日…端午(たんご)の節句。五月中…田植仕廻り二日休日。虫送り

(六月)一日…歯固め。

(七月)一日…ねぶた。七日…なの(ぬ)かび。休日。十三日…盆行事。十六日まで休日。二十六日…御来迎様。

(八月)一日…岩木山大祭日。お山参詣。十五日…八幡宮大祭日。十五夜。八月中…彼岸。土曜の丑の日に虫送り

(九月)九日…栗の節句。九月中…稲村納後(いねむらおさめご)の休日二日。秋餅。

(十月)一日…亥の子(いのこ)の日(火鉢・足袋は翌年二月まで)。

(十一月)二十三日…大しこ(師講)様。小豆粥を食う。十一月中…冬至。南瓜を食う。

(十二月)八日…八日そば。十二日…山の神様。二十日…煤払い。歳暮廻し。二十六日…詰市。町買。二十八日…餅つき。晦日…年越し。

 以上挙げた年中行事は、町人と共通するものが比較的多く(本章第三節二参照)、そのほか藩士と共通するものもある(本章第一節参照)。ここでは農民特有の「虫送り」と、「お山参詣」(町人も行っていたが)を取り上げたい。