昭和恐慌と相次ぐ災害

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我が国の経済は、大正九年(一九二〇)に起こった第一次世界大戦後の反動恐慌と、それに追い打ちをかける十二年九月一日に発生した関東大震災によって混乱に陥った。そして、昭和に入ると、昭和二年の金融恐慌と四年に成立した浜口内閣の金解禁政策によるデフレ不況の最中に勃発した米国発の世界恐慌が、我が国を昭和恐慌へと導いていった。全国的なデフレ不況は農産物価格の下落をもたらし、農業中心の津軽地域経済に打撃を与えた。それに輪をかけるように、六年の大凶作は農家に決定的な打撃を与えた。その後も、七年八月の豪雨では岩木川堤防の決壊による水害、九年は再び凶作となり、十年八月の豪雨では県下一帯が水害を蒙った。このように昭和初期は、デフレ不況に加え、相次ぐ災害の襲来が農家経済の悪化を深刻なものとした時期であった。