検定教科書制度は教育民主化の最高の措置として、学校現場には歓迎された。教科書が各校教員によって、自由に採択できる方法は、教員の教育的自主性を尊重するものとして喜ばれた。
写真127 文部省検定済教科書
第一回の教科書採択は徹底した自由採択で、市内各小学校ごと使用教科書は違っていた。しかし、各小学校ばらばらの教科書では、学校間の共同研究や児童学習上に種々の不便があるというので、二十六年五月各学校間の申し合わせで、弘前市内小学校使用の教科書は、同一のものを採択することを申し合わせた。ちなみに第一回の採択教科書は左のとおりである。
国語 学校図書 「一年生の国語」(学年ごとに六年生まで変わる)
書き方 学校図書 「一年生の書き方」(学年ごとに変わる)
社会 東京書籍 「新しい社会」
算数 東京書籍 「新しい算数」
理科 二葉 「理科」
音楽 教育出版 「標準小学校の音楽」
図工 光村図書 「小学校の造型」
ローマ字 開隆堂 Romazi kyositu