昭和四十八年(一九七三)、弘前市と西津軽郡岩崎村(現深浦町)を結ぶ弘西林道(現県道岩崎西目屋弘前線の一部)が昭和三十六年六月の着工以来、一二年ぶりで完成した。この道路は最初、沿線地域の資源開発をねらいとした鉄道構想から始まったが、地質や傾斜など技術的な問題を多く抱え、鉄道計画は立ち消えとなっていた。これに代わって道路建設計画が戦前から持ち上がり、戦後その運動は再開し、昭和三十一年には関係市町村、営林局、弘前大学等の関係者による予定路線の現地調査の実施、昭和三十四年に弘前市、中津軽郡西目屋村、西津軽郡深浦町、同郡岩崎村の沿線四市町村で「弘西林道開設期成同盟会」が結成され、昭和三十六年の着工となった。この完成によって、ブナ材の搬出のほか、弘前市と西海岸(日本海)を結ぶルートができたことになった。