昭和五十六年の卸売・小売業、飲食店の事業所数では、昭和五十三年に比べて、飲食店が二〇・一%増加し三三・二%を占め、従業者数では卸売業が二四・二%を占める。これがこの年の特徴である。
卸売・小売業の事業所数は、昭和五十三年に比べ八・四%増加し、五五二五となった。これは民営事業所全体の五三・二%を占める割合である。
卸売・小売業全体に占める産業中分類別の事業所数の割合は、飲食店(三三・二%)、飲食料品小売業(二四・七%)、その他の小売業(一八・三%)、卸売業(一二・八%)の順に大きく、この構成比の推移を見るとあまり変化はなく、飲食料品小売業が緩慢な低下を続け、飲食店が緩やかな増加傾向をみせている。
増減率では、各種商品小売業と飲食料品小売業がわずかな減少をしたのを除き、全業種が増加し、とりわけ飲食店の二〇・一%の増加が大きい。
次に卸売・小売業の従業者数を見ると、三年前に比べ六・九%増加し二万六一七二人となった。産業中分類別では各種商品小売業だけ減少し、その他はすべて増加した。また、従業者数の構成比では卸売業が二四・二%で最も大きい割合を占め、続いて飲食店(二一・〇%)、飲食料品小売業(一八・六%)、その他の小売業(一五・七%)の順である(以上、同前、昭和五十六年)。
次に、昭和六一年について見ると、卸売・小売業、飲食店の事業所数は五四二九で、民営総事業所数の五二・四%と半分以上を占めているが、昭和五十六年に比べると、九三事業所(一・七%)減少している。
表47 卸売・小売業、飲食店の産業中分類事業所数及び従業者数 | |||||||||
産業中分類 | 実数 | 構成比(%) | 増加率(%) | ||||||
昭和56年 | 61年 | 平成3年 | 昭和56年 | 61年 | 平成3年 | 昭和56年~61年 | 昭和61年~平成3年 | ||
事業所数 | I 卸売・小売業,飲食店 | 5,522 | 5,429 | 5,112 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | △1.7 | △5.8 |
49 各種商品卸売業 | - | - | 1 | - | - | 0.0 | - | - | |
50 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 273 | 276 | 271 | 4.9 | 5.1 | 5.3 | 1.1 | △1.8 | |
51 衣服・食料・家具等卸売業 | 432 | 412 | 357 | 7.8 | 7.6 | 7.0 | △4.6 | △13.3 | |
52 代理商,仲立業 | - | - | 1 | - | - | 0.0 | - | - | |
53 各種商品小売業 | 11 | 13 | 6 | 0.2 | 0.2 | 0.1 | 18.2 | △53.8 | |
54 織物・衣服・身の回り品小売業 | 390 | 422 | 417 | 7.1 | 7.8 | 8.2 | 8.2 | △1.2 | |
55 飲食料品小売業 | 1,364 | 1,226 | 1,098 | 24.7 | 22.6 | 21.5 | △10.1 | △10.4 | |
56 自動車・自転車小売業 | 146 | 161 | 152 | 2.6 | 3.0 | 3.0 | 10.3 | △5.6 | |
57 家具・建具・じゅう器小売業 | 332 | 268 | 254 | 6.0 | 4.9 | 5.0 | △19.3 | △5.2 | |
58 その他の小売業 | 738 | 767 | 755 | 13.4 | 14.1 | 14.8 | 3.9 | △1.6 | |
59 一般飲食店 | 913 | 913 | 797 | 16.5 | 16.8 | 15.6 | - | △12.7 | |
60 その他の飲食店 | 923 | 971 | 1,003 | 16.7 | 17.9 | 19.6 | 5.2 | 3.3 | |
従業者数(人) | I 卸売・小売業,飲食店 | 26,097 | 24,106 | 26,029 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | △7.6 | 8.0 |
49 各種商品卸売業 | - | - | 7 | - | - | 0.0 | - | - | |
50 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 2,290 | 2,138 | 2,757 | 8.8 | 8.9 | 10.6 | △6.6 | 29.0 | |
51 衣服・食料・家具等卸売業 | 4,031 | 3,826 | 3,987 | 15.4 | 15.9 | 15.3 | △5.1 | 4.2 | |
52 代理商,仲立業 | - | - | 5 | - | - | 0.0 | - | - | |
53 各種商品小売業 | 1,046 | 1,050 | 789 | 4.0 | 4.4 | 3.0 | 0.4 | △24.9 | |
54 織物・衣服・身の回り品小売業 | 1,828 | 1,659 | 1,733 | 7.0 | 6.9 | 6.7 | △9.2 | 4.5 | |
55 飲食料品小売業 | 4,876 | 4,602 | 4,642 | 18.7 | 19.1 | 17.8 | △5.6 | 0.9 | |
56 自動車・自転車小売業 | 1,071 | 1,057 | 1,004 | 4.1 | 4.4 | 3.9 | △1.3 | △5.0 | |
57 家具・建具・じゅう器小売業 | 1,421 | 932 | 1,098 | 5.4 | 3.9 | 4.2 | △34.4 | 17.8 | |
58 その他の小売業 | 4,093 | 3,855 | 4,523 | 15.7 | 16.0 | 17.4 | △5.8 | 17.3 | |
59 一般飲食店 | 2,932 | 2,768 | 2,899 | 11.2 | 11.5 | 11.1 | △5.6 | 4.7 | |
60 その他の飲食店 | 2,509 | 2,219 | 2,585 | 9.6 | 9.2 | 9.9 | △11.6 | 16.5 | |
前掲『弘前市の事業所』平成3年 |
一方、従業者数は二万四一〇六人で、民営総従業者数の三八・五%を占めているが、昭和五十六年調査に比べると一九九一人(七・六%)減少しており、昭和五十三年の二万四四七五人よりも三六九人少ない。
産業中分類別に事業所数を見ると、飲食料品小売業が一二二六事業所で卸売・小売業、飲食店全体の二二・六%と最も多く、次いでその他の飲食店が九七一事業所(一七・九%)、一般飲食店が九一三事業所(一六・八%)と、二つ合わせて一八八四事業所(三四・七%)と三分の一を占め、その他の小売業が七六七事業所(一四・一%)と続いている。
事業所数が増えたのは、その他の飲食店の四八、織物・衣服・身の回り品小売業の三二など六産業であるが、飲食料品小売業の一三八の減少が影響し、全体では九三事業所の減となっている(同前、昭和六十一年)。
平成三年において、卸売・小売業、飲食店の事業所数は、五一一二で、全事業所数のううちで五一・一%を占めている。しかし、昭和六十一年と比べると、三一七減少した。従業者数では二万六〇二九人で、全民営事業所従業者の三八・二%である。従業者数は、昭和六十一年に比べ、一九二三人増加している。
産業中分類別に事業所数を見れば、飲食料品小売業が多く、一〇九八で、二一・五%となっている(同前、平成三年)。昭和六十一年と比較してみると、増加しているのはその他の飲食店の事業所で、三三%の増加であり、他の事業所は減少している(同前)。