土地区画整理事業の代表例として弘前駅前地区を見れば、その目的は、駅前広場と駅前通りがわずかに整備されているだけで、無秩序に発展した市街地なので、弘前市の表玄関として、また土手町に連なる第二の都心部としてふさわしい街づくりが必要であるというものである(弘前市『弘前駅前地区土地区画整理事業事業計画書』による)。
弘前駅前地区の整備計画は、昭和四十三年(一九六八)に駅前南地区の土地区画整理事業として開始され、当初の計画は一八・四ヘクタールの地域に関する事業であった。この事業は駅前地区の周辺八六・七ヘクタールを対象地域とした計画の一部であり、昭和五十七年に終了した。この計画は昭和五十四年開始の弘前駅前地区土地区画整理事業に引き継がれた。
弘前駅前地区土地区画整理事業は、昭和五十四年の設計の方針としては、まず、土地利用計画は、都市計画により定められた用途地域との整合性を図り、特に弘前駅周辺を核とした商業地域の拡充と高度利用を図ることが目指されている。また、交通計画は、可能な限り通過交通を排除するように計画している。
駅前広場は、一万一七〇〇平方メートルを確保する。公園は児童公園を六ヵ所に配置する。その他、水路、上下水道、ガス、電気、電話などの施設整備も計画されている。