97シーズン目
【協会】 金野滋日本協会会長に就任 副会長の金野滋が第12代日本協会会長に推挙された。/日本選手権試合の見直し 前年度の日本選手権で、大学王者の大東大が円熟の境地に入った神戸製鋼に翻弄され、14−102と大敗した。社会人と大学の力の差が広がり、「これが日本一を決める試合か!」との批判が高まり、日本協会も日本選手権試合の見直しを検討せざるを得なくなった。/9月17日、「接近、展開、連続」の理論で日本代表を世界に評価させた大西鐵之祐氏が79歳で逝去された。【代表】 ルーマニア代表来日(1勝1敗) 日本協会は、ワールドカップ出場を前に、ルーマニアを招聘した。ノンテストの第1戦は25−30で敗れたが、テストマッチには34−21で勝利を収めた。
第3回RWCで日本代表がNZに記録的大敗(3敗、予選敗退) 日本代表は、南アフリカで開催された、第3回ラグビーワールドカップに出場したが、NZオールブラックスに、17−145というRWC記録で大敗する屈辱を味わった。この大会でスプリングボクス[南ア代表のニックネーム]が優勝する実話を元に、ネルソン・マンデラ大統領がアパルトヘイト[人種差別政策]を打ち破るまでを描いたクリント・イーストウッド監督の名作『インヴィクタス(INVICTUS)・負けざる者たち』(2010年2月日本公開)を観て、感動に浸っているとき、「NZはなんと日本に145点取ったんだよ」というせりふが出て私は打ちひしがれた。
★126 | 1995.5.27 | ●日本代表 | 10−57 | ○ウエールズ代表 | ブルームフォンティン |
★127 | 1995.5.31 | ●日本代表 | 28−50 | ○アイルランド代表 | ブルームフォンティン |
★128 | 1995.6.4 | ●日本代表 | 17−145 | ○NZ代表 | ブルームフォンティン |
/日本代表監督に山本厳が就任 第3回RWC終了後、小藪修監督から、山本巌に日本代表監督が交代した。/豪州首都圏代表(ACT)来日(4勝) 1996年2月に来日した豪州の強豪ACTに、日本代表はテストマッチでなく対戦したが、28−47で敗れた。他の試合は67−8日本A代表、40−12日本選抜、32−17プレジデント。
【選手権】 サントリー初の日本一 第33回日本選手権でサントリーが明大を49−24で破り初優勝を遂げた。神戸復興のシンボルとして頑張ってきた神戸製鋼は、社会人大会1回戦でサントリーと引き分けたが、トライ数の差で準決勝に進めず、シーズン無敗のまま前人未到の8連覇への挑戦を終えた。/日本選手権、大雪で延期 2月18日に国立競技場で予定された、サントリーと明大の試合が、2日前から降り続いた大雪のため、翌週の25日に延期された。昭和61年(1986)3月に、秩父宮での日本選抜と対戦予定のNZマナワツ州代表が、雪で試合が中止となり帰国した例があるが、ラグビーでは極めて珍しいことである。
【大学】 大学は明大が日本一 第32回大学選手権では、明大が43−9で早大に大勝、2年ぶり11回目のチャンピオンとなった。/対抗戦は日体大、リーグ戦は大東大が優勝 第66回関東大学対抗戦は日体大が明大に敗れた1敗を守り、2敗の明大、早大、帝京大を抑えて6年ぶり5回目の優勝を遂げた。第29回リーグ戦は大東大が6勝1敗で2年連続7回目の優勝となった。/関西は同大、九州は九州国際大が初優勝 第67回関西大学リーグ戦は7戦全勝で2年ぶり39回目の優勝を遂げた。第3回九州大学リーグ戦は九州国際大が7戦全勝でうれしい初優勝を遂げた。
【社会人】 ミラクル・サントリーが初優勝 第48回社会人大会では初のワールドカップ方式[出場チームを4グループに分けて総当たり、1、2位が決勝トーナメントへ出場]が採用された。サントリーは決勝トーナメント1回戦、20−20で神戸製鋼と引き分け、トライ数2対1で神鋼の8連覇を阻止して勝ち上がり、決勝では三洋電機に27−27と優勝を分け合ったが、またもトライ数4対3で、日本選手権の進出を決めた[同点の場合は引き分け、トライ数で上回ったチームが次戦に進む大会規定]。/東日本は三洋、関西はトヨタ、西日本はマツダ 第8回東日本社会人リーグは、三洋電機が7勝0敗で3年連続6回目[通算16回目]の優勝。/第38回関西社会人Aリーグは、トヨタが8年ぶり12回目の優勝。神戸製鋼と6勝1分で同率だったが、リーグ規定の抽選の結果、優勝となった。/第24回西日本社会人Aリーグは、マツダと日新製鋼が6勝1敗で並んだが、直接対決を制したマツダが2年ぶり6回目の優勝。
【地域】 三地域対抗は九州代表が29年ぶりに優勝 第35回三地域対抗は九州代表が29年ぶり2回目の優勝を果たした。/第50回学生東西対抗では関東が58−14で関西に6連勝。/第46回朝日招待では九州代表が72−26の大差で明大を破り、九州ラグビー界の実力と意気を天下に示した。
【その他】 地区対抗は武蔵工大の初優勝、教育系は広島大 第46回地区対抗大会は武蔵工大が23−13で徳山大を破り初優勝を遂げた。第31回教育系大学大会は広島大が36−5で東京学芸大を下し21年ぶり4回目の優勝を果たした。/高専は宮城工専、高校は大工大高、クラブは六甲が優勝 第26回高専大会は宮城工専が14−7で神戸市立工専に勝って8年ぶり3回目の優勝、第75回高校大会では大阪工大高が50−10で古豪秋田工を破って7年ぶり4回目の優勝、第3回クラブ選手権では六甲クラブが89−12で吉四六クラブを下して優勝を果たした。/国体は成年が大阪、少年は長崎が優勝 第50回福島国体はいわき市で行われた。成年の部は2部が廃止され、大阪府(全大阪)が26−25で群馬県(三洋電機)との死闘を制して優勝、少年の部は長崎県(全長崎)が東京都(全東京)を13−10の接戦で破り優勝した。
【国際】 6月、日本U23代表豪州遠征(5勝2敗・パース国際大会で4試合)。/7月、関東代表NZ遠征(2勝2敗)。/関西代表豪州遠征(3勝1敗)。/高校代表海外遠征 3月に第21回高校日本代表のイングランド遠征(2勝4敗)を実施した。