大地の記憶 海だった長野
長野市は、かつて海の底だった場所が地殻変動によって隆起し、現在の姿へと変化した地域です。市の中心には長野盆地が広がり、その周囲を自然豊かな山々が囲んでいます。
西部の山間地には、雄大な峡谷と美しく積み重なった地層が多く見られます。そしてその地層からは、クジラやセイウチ、貝などの海の生き物の化石が多数発見されています。これらの化石は、長野市域がかつて海の底であったことを示し、県や市の天然記念物などに指定され、大地の歴史を伝える文化財として保存されています。
盆地の周辺には、善光寺表参道の石畳や市内の石垣などに利用されている石材の採石跡地があります。また日本で最初に石油の商業採掘が始まった浅川には、石油井戸(油井)が残されています。大地の恵みを利用してきた人々の営みも、文化財として大切に保存されています。
各地の文化財を巡りながら、長野市が歩んできた壮大な大地の物語を感じてみてください。

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