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口絵

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イシカリ川之図 28cm×120cm 札幌市立藻岩北小学校(学校郷土博物館)蔵

 本図は、イシカリ場所の請負人で有名な阿部屋村山家ゆかりの絵図で、札幌市立藻岩北小学校に寄贈されたものである。
 阿部屋は、寛政11年(1799)松前藩直支配の手付けとしてイシカリ場所秋味請負を任されたのを手始めに、イシカリ場所の権益を拡大していった。秋味請負は、文化12年(1815)以降阿部屋の単独請負になり、文政元年(1818)にはイシカリ十三場所の夏商の一括請負も加わって、安政5年(1858)のイシカリ改革まで続けられた。この図は、イシカリ川河口から上流地域にいたる流域を一枚の地図におさめ、船路を朱線で示している。現在の札幌市域には、四本の河川に沿って集落を示す「朱の丸」が描かれ、地名もハツシヤフ、サツホロ、ナイホウ、シノロ、トイヒラなど詳細に記入されていて当時の姿を彷彿とさせてくれる。製作年代は、文化末年頃と思われる。