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紅葉山砂礫相

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 紅葉山砂丘の風成砂層の下位には、粗粒砂と礫からなる水中に堆積した砂礫層がある。この砂礫層の礫は偏平な円礫が多く、礫種は安山岩を主とし、珪岩・流紋岩質凝灰岩・頁岩なども含んでいる。礫の形態や礫種からみて、この砂礫層は、西南部の山地から浅海域に運ばれ、沿岸流で移動されながら偏平化して堆積した沿岸性の堆積物と考えられるものである。前田砂層の外縁部を紅葉山砂丘に沿うように分布している。また、茨戸川の東側、生振砂丘の内縁に沿っても、同じような沿岸性の砂礫層がみられる。これらの砂礫層は、それぞれ、紅葉山砂礫相生振砂礫相と呼ばれている。相という文字が使われた意味は、この砂礫層が下部の砂層(前田砂層主部)から漸移しているからである。つまり、前田砂層の中に砂の部分と砂礫の部分があり、その砂礫部を強調するために紅葉山砂礫相生振砂礫相としているのである。
 いずれにせよ、この砂礫層は前田砂層(砂州)の堆積に引き続き、六五〇〇~六六〇〇年前から堆積をはじめたもので、六〇〇〇年前ころには砂礫州として海面上に姿を現すことになる。そして、古石狩湾は外海と内海(潟湖)とに二分されたのである。その後、この砂礫州には海浜から吹き上げられた砂が徐々に堆積し、新しい砂丘(紅葉山砂丘)が形成された。これによって、その後の石狩海岸平野は、紅葉山砂礫州(後に砂丘)を境に外側と内側ではまったく異なった形成過程をたどるようになったのである。