第二、五条では、次のように記している。
札幌には、大工三拾人、木挽四拾人、鍛冶八人、人足三拾人残置、其余ハ為引払申候。金穀の目的相立候はゞ、如何様にも盛ニ可仕様胸算屹度相立申候。右職人共は是迄営繕懸りの方始末為相付新ニ手を下し候分ハ先つ見合中ニ御座候
金穀の目的相立候はゞ、兵部省にて取懸居候七百三拾軒計り札幌へ営繕仕り、当年中に農具其外共大様相揃へ、米穀もせめて三四月は相支候様心配仕り、明早春奥・羽・越より壮健の輩相撰、彼方之人別を除き愈以永住のもの相移、直に開拓に取懸候様可仕含に御座候。嶋判官の指図は役所且長官邸、判官及大主典邸等早々営繕の積り。判官邸畳数二百六拾枚も敷候。図面其余は准右、実ニ結構を極候。私の考にては、役宅等は、成丈御入費無御座様仕り、当年は是非共農家十分に相建可申心得ニ御座候……。
金穀の目的相立候はゞ、兵部省にて取懸居候七百三拾軒計り札幌へ営繕仕り、当年中に農具其外共大様相揃へ、米穀もせめて三四月は相支候様心配仕り、明早春奥・羽・越より壮健の輩相撰、彼方之人別を除き愈以永住のもの相移、直に開拓に取懸候様可仕含に御座候。嶋判官の指図は役所且長官邸、判官及大主典邸等早々営繕の積り。判官邸畳数二百六拾枚も敷候。図面其余は准右、実ニ結構を極候。私の考にては、役宅等は、成丈御入費無御座様仕り、当年は是非共農家十分に相建可申心得ニ御座候……。
(同前)
今まではこの二条をもとに、島判官の計画は中止されて、この三年中は継続事業だけが細々と続けられたということになっている。しかし実態は後述の通り、三年中も島判官の計画に沿って新規の建設事業が進められた。むしろ当然のことだが、官舎役宅の建設などの土木工事は、雪中の島判官在任中より多く行われている。
しかしこの方針は、三年七月の次のような布達に引き継がれ、札幌への本府建設方針は一時中断する。
札幌建府ノ得失衆議紛々ニ候へトモ、何分当時ノ姿ニテハ官舎ヲ設、且人民移住為致候義一度ニハ御入費難相整候ニ付、先以テ人民ヲ移住為致、点々村落ヲ成候上、建府可致、只今役宅等相応ニ取建有之公私トモ差向差支候義無之ニ付、今明年ノ間ハ別紙(略之)移住民取扱ノ外臨時ノ御入費無之様官員一同着目注意可致候
(開拓使布令録)