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教育体制

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 すでに述べたように、道内において学制の施行は当分見送られた。明治七年(一八七四)八月、開拓使札幌本庁は「札幌小学校仮規則」を定め、入学年齢を六歳以上とするなど初等教育に近づけてはいるが、教育内容などからは学制によったものとはいい難い。また八年の白石教育所をみても内容は読書、算学、運筆に止まっている。九年四月には、札幌本庁、函館支庁が連署をもって「全国学制ニ係ル公布公達諸則類、其指支ナキモノハ管内ニ施行致度」(開拓使学務局沿革 道図)と、学制のうち施行できるものを施行可能の地から始めることを九条からなる伺として提出したが、庁内にも時期尚早とする反対意見が多く沙汰止みとなった。同年十月に第一小学校則を定め、これを管内各校に配布して、これに準拠した校則を設けさせることとし、初等教育のとりあえずの整備・充実をはかった。同校則は入学年齢を満六歳以上と学制に準拠し、入学方法、授業料、試験等につき十数条にわたって規定したものである。
 十三年一月に開拓使札幌本庁は小学校則小学教則変則小学校則を制定したが、これは十二年九月布告の「教育令」との関連が深い。そのうち特にここで問題となるのは変則小学校則で、正則は修業年限が六年であるのに変則は四年と短く、したがって内容もより簡易なものとなっている。現市域内で正則を施行したのは第一小学校・山鼻・琴似学校にすぎず、丘珠・円山・苗穂・対雁・上手稲・篠路・月寒・白石教育所はすべて変則の課程となった。すなわち市中および屯田兵村以外はすべて変則によることとなったのである。さらに十六年五月に小学校規則を定めて初等・中等科各三年、高等科二年としたが、十七年で高等科をおくものが札幌師範学校附属小学校および創成学校の二校、中等科が藻岩・山鼻・琴似の各学校、初等科のみは豊水・円山・上手稲・下手稲・豊平・白石・月寒・苗穂・藤古・丘珠・篠路の各学校となっている。最も中枢的な二校に高等科が設置されているが、基本的には正則・変則の設置と大きな変化はない。