北海銀行に次いで札幌に屯田銀行が設立された。同行は二十四年六月北海道の屯田兵の積立金一三万円で設立されたものである(大通西二)。二十三年実施された会計法では、各官庁で特に規定した場合を除いて特別資金を保有することを禁じたことから、従来屯田司令官が保管運用してきた屯田兵の積立金を整理処分する必要が生じ、司令官が大蔵省に申し出て、屯田銀行が設立されるにいたった。設立当時の資本金は一三万円、株主三七〇人で、同年十二月資本金を減少して一〇万円とし、二十六年一月臨時総会で定款を改正、同年七月銀行条例の実施と共に普通銀行として業務を営んだ。二十七年には小樽に支店を開設し資本金二〇万円とし、二十九年にはこれを四〇万円に増額し室蘭に出張所を設けた。翌三十年には資本金を増額して一〇〇万円とし、三十一年には本店を小樽に移して札幌を支店とし、また岩内、江差に支店を開設、三十三年一月商号を北海道商業銀行に改めた(北海道金融沿革一班)。