ビューア該当ページ

婦人・女性の組織

1088 ~ 1089 / 1147ページ
 各寺院や宗派・教団には、本願寺派では札幌仏教婦人会(明31創設)、大谷派では婦人法話会北海道支会(明42・8)、日蓮宗では村雲婦人会札幌支部(明42・5)、中央寺吉祥婦人会(明44・3)などのように、すでに明治期に婦人会を組織しているところもみられたが、この時期になると大正四年九月一日に新善光寺にて明照婦人会が発会式をしている。明照婦人会は「会員相互ノ親和ヲ図リ信念ヲ培養シ宗祖ノ信仰ニ生キ以テ日本婦人タル使命達成ニ努ムルヲ目的トス」とされている(寺院教会規則認可干係〔寺院〕、以下の史料も同様)。事業は毎週の華道、茶道、法話と毎月二十五日の文書輪読、布教伝道であった。法華宗の婦人信徒により明治三十二年頃に設立・創設された浄徳婦人会は、五年十月に親睦組織から「信仰の向上」と「精神的修養」の組織に改革され、毎月講話会を開くようになっている(北タイ 大5・10・15)。
 西本願寺別院の札幌仏教婦人会は「真宗本願寺派ノ教義ヲ信奉シ王法為本ノ宗風ヲ実践シ以テ婦道ヲ高揚スル」ことが目的で、事業は真宗の教法と文化一般の講座開催、公共利益の事業であった。専修寺北海道別院北海道真宗婦人会(明39創設)も札幌仏教婦人会と同文の目的、事業であった。北海寺十八日講は四〇歳以上の女性によって組織され、「本寺院ノ維持興隆、講員ノ信行増進及相互ノ親睦ヲ図ル」ことが目的であった。
 札幌仏教女子青年会本願寺派で結成され、大正十四年五月三日に発会式を行っていた。同会は「仏教の信仰を中心として会員相互の修養に努め堅き信念を有する日本婦人とならんとする目的の下に成立」し、当初の会員は六〇人であった(北タイ 大14・5・4)。後年の目的は「真宗本願寺派ノ教義ヲ信奉シ王法為本ノ宗風ヲ実践シ以テ女子ノ徳操ヲ涵養スルニ在リ」とされ、事業は男子の札幌仏教青年会と同一であった(寺院教会規則認可干係)。

この図版・写真等は、著作権の保護期間中であるか、
著作権の確認が済んでいないため掲載しておりません。
 
写真-6 本願寺の札幌仏教青年会と女子青年会(昭13)

 中央寺には吉祥婦人会とともに、日曜学校形式の吉祥少女会も明治四十四年頃につくられており、生け花、茶の湯、琴曲、編物、作法などを学び、昭和三年の会員は三〇〇人を数えていた(北タイ 昭3・3・9)。