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郊外に生まれる繁華街

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 従来、市の繁華街といえば、駅前通南一条西四丁目付近・狸小路ススキノ一帯とほぼ市中心部に限られ、豊平・苗穂・円山など周辺地区には中小商店が散在していたにすぎなかった。しかし二十六年前後から、周辺地区に銀行支店・映画館簡易デパート等が進出するとともに、これらを中心に繁華街が形成されるようになる(表38)。
表-38 出張所別飲食店舗数
出張所昭27昭31昭33昭35昭39昭41昭43昭45
北栄314968103
北光4712*195187113123
264863130
幌北172837*425879103135
鉄東1920404529127152182
鉄西2734313248609595
苗穂2428313346649689
東北1524202129384762
577679818989123121
中央173(12)236268291380486582580
桑園1623324153667788
大通293049567495123114
豊水222(6)2902934097007691,1941,425
西創成71(2)174215287524510693727
西46626669137177177187
円山1228326576105116119
円山13465101916
23292931617978100
幌西591115192732
山鼻14313343748296106
白石20
菊水41254699147158172
東札幌412202832
白石町162221685385120
東白石6387105
厚別町14691624
豊平165968108155171184183
藻岩133314172134
新琴似・
琴似支所
1538
新琴似25252941
琴似599299139166
琴似中央22323443
元町支所3
元町39162125
篠路支所12
篠路1241414
月寒支所12396117153
月寒62
美園25476981
平岸416876113
真駒内43567661
石山7101217
定山渓21233029
手稲支所2540
手稲39
東手稲162344
809(20)1,2561,4411,9563,2494,0365,3016,030
市勢要覧各年より作成。 ( )は法人,個人店舗に含まない。
昭和35年の「北光*」は北栄と北光の合計。昭和35年の「幌北*」は北と幌北の合計。

 たとえば鉄北地区では劇場・簡易デパートを中心に繁華街ができつつあり、五丁目電車通りは北二十四条にかけて五十軒以上の飲食店・商店が新設されていた。鉄東地区では映画館と銀行支店が新設される予定とあって、早くも繁華街のまとまりをみせている。また桑園地区では二十七年に新設されたデパートに隣接して映画館が建設され、銀行支店のほか、遊技場や飲食店も並び始めた。
 豊平地区では銀行と信金の新改築が進み、劇場の新装とハイヤー業者の進出もみられた。さらに豊平三条六、七丁目の電車通りでは、道路の拡幅にともなって商店の新改築が相次ぎ、戦前の豊平の面目を一新しつつあった。白石通りや豊平大門振興会では、二十六年にスズラン灯が設置されており(道新 昭26・8・12)、豊平駅前から白石通りまでは繁華街へと変わりつつあった。さらには、札幌―千歳間の舗装や東札幌地区の工業地帯化、定鉄沿線と月寒の郊外住宅化等の好条件が重なり、一層の開発が期待された。
 また、山鼻地区でも簡易デパート映画館の新設計画が立てられ、行啓通り・屯田通りを中心に、銀行支店や料飲店・商店・遊技場が軒を連ねるようになった(道新 昭28・6・5、6・30)。