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婦人週間の行事

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 労働省婦人少年局は発足の翌年、国の祝日に「婦人の日」の設定を希望したが入れられず、二十四年から四月十日(最初の女性参政権行使日)以後の一週間を婦人週間として、男女平等の推進を図った。表29は北海道における約一〇年間の大会概要である。労働省婦人少年局北海道職員室に対して、北海道・北海道教育委員会・北海道労働科学研究所を初め多くの官庁・団体が協力した。
表-29 婦人週間北海道大会の概要(昭和24~34年)
年月日討論・講演のテーマ,参加人数概数など
124. 4.11  討「婦人の地位・家庭と職業・女子教育・青少年の不良化防止」 100人
   15  「現在の婦人の地位向上について」講演・ニブロ民間教育課長
225. 4.19  討「労働・農漁村・家族制度・保健衛生」 80人
   20  講演・労働省婦人少年局山川菊栄 700人
326. 4.10  パ「社会のために婦人はなにをすべきか」 200人
427. 4.13  パ「婦人の地位は高まったか」 200人
528. 4.26  講演・労働省婦人少年局婦人労働課長谷野せつ「働く婦人の生活態度」,道労働教育課教育係長立林嘉雄「婦人と労働法」 60人 討「労働・国際・家庭・社会」 400人
   27  講演・労働省婦人課長谷野せつ「婦人と労働」,外務省情報文化局今井正 700人
629. 4.17,18討「農漁村・家庭・労働」 700人 (この年のみ旭川市で開催)
730. 4.16  講演・北大教授新川士郎「社会の進歩と労働婦人」 討「家族・地域・職場・公共」
   17  パ「社会人として婦人はなにをすべきか」 300人
831. 4.10  討「家庭を明るくするために」一般婦人A・B,勤労婦人,学識経験者の4グループ
講演・北大教授風巻景次郎「現代の婦人とその周囲」 200人
932. 4. 7  討「都市の家庭と近隣・農村の家庭と近隣・社会」 40人
  4.14  討「嫁姑・夫婦・親子・近所づきあい・団体活動・雇傭機会・組合活動」
講演・札幌市教育委員長宇野親美 1,500人
1033. 4. 9  討「都市の家庭生活・農村の家庭生活・都市の社会生活・農村の社会生活」
講演・北海学園大学教授池田善長「正しい協同活動のあり方」 600人
1134. 4. 8  討「都市の家庭、炭鉱の家庭,農山漁村の家庭,都市の地域社会,炭鉱の地域社会,農山漁村の地域
社会,職場,団体活動」 講演・評論家坂西志保「集団と個人のあり方」
北海労働』『北海道新聞』『札幌市事務報告』『札幌婦協』より作成。討は部会または分科会討議,パはパネルディスカッションの略。

 「家庭から職場から封建制をなくしましょう」と明快なスローガンが掲げられた第二回大会には、山川菊栄が講演した。大会初日の「労働」部会では、北教組執行委員ら二五人が「男女同一賃金や婦人の労働条件は守られているか、婦人の職場が開拓されているか、組合運動において婦人が積極的に参加しているか」を討議した(北海労働 昭25・5・1)。山川は大会の後、夕張・江別・留萌・倶知安・函館を回って精力的に、各地で講演や組合婦人部との懇談、社宅視察を行い、二十九日に再度札幌で講演した。
 第五回大会は札幌石炭勤務の山崎一二三ら全国会議参加者の報告も行われ、NHKが全国に中継放送した。『道新』は二十九日の紙面に助言者の講評をのせた。全道労協事務局次長山内栄治は「〝労働組合が女子の問題に対して熱意がなくなった〟との声が多かった」、谷野は「感激したことは、労働部会で子供を背負った労働者のおかみさんが熱心に研究討議していたことで、北海道の人がいかに生活に対して真剣であるかを感じました」と述べている。
 第七回大会で職場部会の運営を担当した道労働部は、予想を上回る八三人が、生理休暇・共稼ぎ・同一賃金・組合活動など「熱心な討議 かつてなき盛会」と詳細に記録し、また北円山土曜会の女性のレクリエーション出演を紹介した(北海労働 昭30・4月号)。
 前年の二十九年、小人数の婦人少年室業務に協力する協助員が北海道にも四五人任命され、札幌では有権者同盟の小端千恵子ら、婦人団体の協力が始まった(協助員連絡協議会会報 第19号 昭58・12)。