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高等教育機関の再編と新制大学の設立

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 敗戦時、札幌における高等教育機関には、理科系四学部から構成される北海道帝国大学と、昭和二十年四月に設立された庁立女子医学専門学校があった。また戦時中、専門学校程度となり官立となった北海道第一師範学校もあった。私立の高等教育機関はなく、二十二年になって、「専門学校令」によって藤女子専門学校天使女子厚生専門学校が設置された。
 大学は、学校教育法において、一般教育、専門教育・研究、人間教育を行う高等教育機関と位置けられた。文部省は二十三年六月に「新制国立大学実施要綱」を発表し、全国的に大学の昇格・統合といった再編が行われることになった。そこでは一府県一大学が原則とされたが、北海道は人口三〇〇万人を越える地域として、原則から外された。再編には様々な動きがあった。道庁では、各学校の設置運動と連携して案を作成し、九学部一研究所からなる北海道大学、北海道学芸大学、藤女子大学、札幌天使女子大学などの設置構想を策定した(北海道教育史 戦後編二の一)。
 結局札幌市においては、二十四年度に北海道大学、北海道学芸大学が発足し、翌年度、女子医専が北海道立札幌医科大学として発足した。北海道大学には、すでに二十二年四月に法文学部が設置されており、二十四年に、法文、教育、理学、医学、工学、農学、水産学の七学部体制で新制大学となった(北大の125年)。二十五年には、法文学部が文学部、法経学部に分離された。その後も新しい学部が設置された。
 私立大学については、二十四年度に学校教育法が改正されて短期大学が認められたことから、二十五年度に藤女子短期大学天使厚生短期大学札幌短期大学北海短期大学が設立された。この時点で私立短期大学が設立されたのは道内で札幌のみであった。二十六年度には北星学園女子短期大学、二十八年度には北海道自動車短期大学が設置された。二十七年度には、北海短期大学北海学園大学に改組された。これは北海道ではじめての四年制私立大学であった。