第三期板垣市政においては、①市民生活基盤整備(地下鉄東西線延長、道路・街路、公営住宅、上下水道の整備、国鉄高架事業着工、篠路清掃工場稼働、滝野すずらん公園起工など)、②教育・文化の充実(市立幼稚園・小中高校施設整備、南・中央区民センター、清田コミュニティセンター、婦人文化センター、市民ギャラリー、彫刻美術館、五つの地区図書館、青少年科学館、児童会館、勤労青少年ホーム、青少年センターの建設、国立札幌芸術大学誘致期成会発足)、③社会福祉の充実(保育所、地区老人福祉センター、のぞみ学園、肢体不自由母子訓練センター、老人・心身障害者交通費助成拡大、在宅老人のデイ・サービス、寝たきり老人の貸しおむつ・理髪サービス、在宅身体不自由者入浴サービス)、④市民生活施策の強化(勤労者融資資金、中小企業金融対策資金貸し付け枠の拡大)、⑤保健医療体制の充実(四つの地区体育館、麻生野球場、ていねプールの建設、円山陸上競技場改修、大倉山ジャンプ台整備、市民マラソン・歩くスキー等事業の実施、市立札幌病院第一病棟改築、先天性代謝異常等の各種検査)、などの都市生活環境整備が推進された。
第三期板垣市政では他に子ども、婦人、障害者、青少年関係施策に力を注いだことが特徴である。五十四年は国際児童年であり、「さっぽろっ子カーニバル」など、年間を通して児童福祉に関する催しがもたれた。「国際婦人の十年」(五十一~六十年)を受け、五十六年六月、市議会が「婦人差別撤廃条約の早期批准に関する意見書」を可決、同月市長の諮問機関として「札幌市婦人問題懇話会」が設置され、翌年提言を答申した。十二月には婦人文化センターが完成した。五十六年は国際障害者年の初年であり、同年一月に「札幌市福祉の街づくり環境整備要綱」が制定された。またこの時期は青少年非行や校内暴力が大きな社会問題となっており、五十七年十二月に青少年対策長期構想がまとめられた。