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外食産業の多様化

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 バブル崩壊後の景気低迷にもかかわらず、札幌の外食産業は平成に入って多様化の時代をむかえた。「イタメシ」ブームなどで西洋料理店が増加したあとは、中華、エスニック、焼き肉店などの東洋料理店が軒数をのばし、郊外を中心に「回転ずし」の店が増加した。またオリンピック前後に開店したといわれる「ラーメン横丁」をはじめとする都心部のラーメン店は、観光客の減少やビルのテナントに入居したことで経営に行きづまっていたが、バブル崩壊後空き店舗のめだっていた狸小路六丁目に新たなラーメン街が誕生したことで再び注目を集めるとともに(道新 平12・3・27)、逆に全国各地の有名ラーメン店の進出を促した。またそば・うどん店も高齢化社会を反映してか、商店数を維持している(表21)。
表-21 飲食店の動向
昭和49年昭和54年昭和61年平成4年平成11年
総数5,0756,0586,8705,9165,251
一般食堂1,3001,4751,505954807
日本料理店318293305387328
西洋料理店123191252312427
中華料理店・その他の東洋料理店2844857781,2121,282
そば・うどん店276378474483430
すし店582727712674622
料亭291311711
喫茶店1,0672,0092,4871,7201,163
その他1,125500357174192
バー・キャバレー・ナイトクラブ1,9303,1744,5405,3944,450
酒場・ビアホール1,0741,9982,5182,4192,653
商業統計調査総務省統計局「事業所・企業統計調査」による。
総数にバー・キャバレー、酒場・ビアホールは含まれない。
平成4年の料亭・バー・キャバレー、酒場・ビアホールは、平成3年調査のものである。

 一方居酒屋は、業界内での価格引き下げ競争、またカラオケボックスが居酒屋なみに料理を充実させて集客したこともあり、平成十一年十月には「北海道養老乃瀧」が倒産した。そのためススキノを避けてテナント料の安い郊外に出店し、ファミリーレストラン化を図るなど、新たな集客策を模索している。また「500BAR」や「高田屋」、「暖中」などを開店させた「タスコシステム」は、都心から郊外へと店舗展開を押し進めるとともにさかんに道外進出を図っている。