松代案内 16 矢澤家表門
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矢澤家表門
長野電鉄旧松代駅通りと、東西に通う道路の交差点の東角にあるひときわ大きな門が矢澤家表門。城門を思わせ格式の高い門で馬にのったまま通ることができる。門の左右に同心部屋を備え、出格子窓や武者窓を設けていた。入母屋瓦葺き、軒は、まばら垂木(だるき)、壁は家臣の建物では唯一ともいえる白漆喰仕上げ。門扉に入八双金物(いりはっそうかなもの)や饅頭金物(まんじゅうかなもの)などを使用、六文銭の絞や木彫など装飾的にも重みがあり重厚で格調高い雰囲気をかもし出している。矢澤家は真田家重代の筆頭家老を務めてきた家で、初代矢沢綱頼は昌幸の叔父。沼田城を落とすなど昌幸の戦いを支えた、戦国真田家の重鎮。江戸時代初期は二一〇〇石余、中期以後は一四〇〇石の禄と預(あずかり)同心四十人と、藩中最高の家格だった。平成十七年(二〇〇五)の近隣火災で類焼したが、約二年間の復元修復が行われて甦り、その風格が街なみを潤している。