◎発刊の辞

木曾林学校々友會報 第一號      2
        (明治35年10月 日発行)(注1)
 
 
◎発刊の辞
 
校友会報は校友相互の気脈を通じ智徳を研(みが)かんが為(た)めに、三伏(さんぷく:夏の極暑の期間)の暑さを凌ぎて生れ出ました。
偖(さて)此(こ)の会報の初刊は恰(あたか)も草木の甲拆(こうたく:草木が芽を出すこと)したるものに比すべく、今後日雨露の潤沢を被りて成長するに従がひ、風雨霜雪寒暑の困難を経ざれば、老木大幹となることが出来ません。校友諸君、彼(か)の日雨露の潤ひを適当ならしむるものは抑(そもそ)も誰ですか。風雨霜雪寒暑の防御を為(な)すものは、そも誰れか、言はずもがな此の会報の培養者は校友諸君である。諸君が熱心に会報の為めに骨を折らるゝならば、今や甲拆したる会報は回を重ねて発刊すると共に益(ますます)隆んになることであるから、会報の培養と保護に充分御尽あらんことを希望します。 (編集員)