3、神道指令以降の神社

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 神道指令の二の②に「神社神道は、国家から引き離し、軍国主義の要素と極端な国家主義の要素を取り除いたあとで、それを信ずるものが望むときは宗教として認める。そして、それが事実上日本人個人の哲学であるならば、他の宗教と同じように保護する」とあるよう、GHQの神道指令を受けた郷土の4つの神社は、昭和21年(1946年)9月23日付をもって「宗教法人」として認可され再出発した。
 なお、これに先立ち、各社の神社規則が同年6月5日、総代の同意を得、統理の承認を受けている。以下に、『八幡神社』の神社規則を記す。
 
  『神社規則』
    第一章  総則
 第一条 本神社ハ惟神ノ大道ニ遵ヒ同胞ヲシテ神恩ヲ奉謝シ神徳ヲ奉体セシメ淳厚ナル民風ヲ作興シ以テ世界人類ノ福祉ニ寄与スルヲ目的トス。
 第二条 本神社ハ八幡神社ト称ス。
 第三条 本神社ノ所在地ハ北海道渡島国亀田郡尻岸内村字大澗五三番地。
 第四条 本神社ハ神社本庁(註1)ニ所属ス。
    第二章  祭祀
 第五条 本神社ノ大祭次ノ如シ
     祈年祭(二月一七日)、新嘗祭(一一月二三日)、例祭(七月一五日)
 第六条 本神社ノ中祭次ノ如シ
     歳旦祭(一月一日)、元始祭(一月三日)、紀元節祭(二月一一日)、天長節祭(四月二九日)、明治節祭(一一月三日)
 第七条 大祭、中祭以外ノ祭典ハ之ヲ小祭トス。 月次第(毎月一五日)
 第八条 本神社ニ於テ行ウ恒例式次ノ如シ
     春季皇霊祭遥拝(四月三日)、秋季皇霊祭遥拝(九月二四日)、神武天皇遥拝(四月三日)、神嘗祭遥拝(一〇月一七日)、大正天皇祭遥拝(一二月二五日)、大祓祭(六月三〇日・一二月三一日)
 第九条 第五条乃至第七条ニ定ムルモノノ外必要ニヨリ臨時祭典ヲ執行ス。
 第一〇条 本神社ハ委託ニヨリ民間神事、ソノ他、礼典ヲ執行ス。
    第三章  主管者代務者及び職員
 第一一条 本神社ニ左ノ職員ヲ置ク。 宮司一名
 第一二条 宮司ハ本神社ヲ主管シ之ヲ代表ス。
 第一三条 宮司ハ神明ニ奉仕シ事務ヲ管理スル。
 第一四条 宮司欠ケルタルトキ、又ハ久シキニ亘リ職務ヲ行ウコト能ハザルトキハ代務者ヲ置ク。代務者ハ未成年者ヲ充ツルヲ得ず。
 若シ本条ニ該当スルトキ有ラバ、左ノ代務者ヲ置ク。
 亀田郡椴法華村 八幡神社宮司トス。
 第一五条 代務者ヲ置クベキ事由止ミタルトキハ代務者ハ退任スルモノトス。
 第一六条 宮司事故アルトキハ、亀田郡椴法華村八幡神社宮司、ソノ職務ヲ代理ス。
 第一七条 宮司ノ進退ハ氏子及ビ崇敬者ノ総代ノ具申ニ依リ統理之ヲ行フ。
 第一八条 雇傭員ノ進退ハ宮司之ヲ行フ。
 第一九条 事務分掌及ビ処務ニ関スル規定ハ宮司之ヲ定ム。
    第四章  氏子崇敬者及ビ其ノ総代
 第二〇条 従来ノ慣行ニ依ル氏子区域内ニ居住シ本神社ヲ崇敬スル者ヲ氏子ト称ス。本神社ヲ崇敬スル者ヲ崇敬者ト称ス。
 第二一条 本神社ハ氏子及ビ崇敬者名簿ヲ備ヘ付クルモノトス。
 第二二条 氏子及ビ崇敬者ノ総代ハ氏子及ビ崇敬者中ヨリ宮司之ヲ委嘱ス。
 第二三条 総代ノ定数ハ七人トス。
 第二四条 総代ノ任期は参年トス。但任期中ト雖モ必要アルトキハ宮司ハ統理ノ指揮ヲ受ケ総代ヲ解任スルコトヲ得ル。
 第二五条 総代ハ宮司ヲ扶ケ神社ノ維持経営ニ協力スルモノトス。
    第五章  財産管理及び財務
 第二六条 本規則ニ於イテ財産トハ不動産宝物及ビ基本財産ヲ謂ウ。
 第二七条 財産目録ハ毎会計年度終了時現在ニ於テ之ヲ調整ス。
 第二八条 会計年度ハ毎年四月一日ニ始リ翌年三月三一日ニ終ル。
 第二九条 一切ノ収入ヲ歳入トシ一切ノ経費ヲ歳出トシ歳入歳出ハ之ヲ予算ニ編入ス。
 第三〇条 数年期シテ其ノ費用ヲ支出スベキモノハ其ノ年期間各其ノ支出額ヲ定メ継続費ト為スコトヲ得ル。
 第三一条 必要アルトキハ特別会計ヲ設クルコトヲ得ル。
 第三二条 予算ハ総代ノ同意ヲ経ルヲ要ス。
 第三三条 予算ハ総代ニ報告スルモノトス。
    第六章  管理
 第三四条 左ニ揚グル場合ニ於テハ総代ノ同意ヲ得統理ノ承認ヲ要ス。
 一、不動産又ハ登記ヲ為シタル財産ノ処分又ハ担保ニ供セントスルトキ
 二、借財又ハ保証ヲナサントスルトキ
 三、法人ヲ解散セントスルトキ
 第三五条 左ニ揚グル場合ニ於テハ総代ノ同意ヲ得統理ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス。
 一、神社ノ移転又ハ併合
 二、祭神又ハ神社名ノ変更
 三、攝末社又ハ境内社ノ創立又ハ増減
 四、境内地ノ設置又ハ増減
 五、本殿の改築、増築又は模様替
    第七章  補則
 第三六条 本規則ヲ改廃セントスルトキハ総代ノ同意ヲ得、統理ノ承認ヲ受クルヲ要ス。
 第三七条 本規則ハ統理ノ承認ノ日ヨリ施行ス。
 昭和二一年 六月五日
 神社代務者 荒木房雄
 氏子総代  木津谷富次郎、寺田菊次郎、高橋金六、松本仁太郎、恩道市太郎、山本鐵藏、井戸竹作
 
 稲荷神社・海積神社・厳島神社については、神社代務者は八幡神社の荒木房雄宮司が兼務し同21年6月5日付で、同様の神社規則(祭祀日程と総代人数に差異はある)の承認を得ている。なお、当時の各神社の氏子総代名を記す。
 
 『稲荷神社』東政藏、東吉五郎、東末藏以上3名
 『海積神社』山田長平、齋藤留五郎、中野仁助、福澤八太郎以上4名
 『厳島神社大坂丑松、井上軍治、長田定治以上3名