昭和五十一年度施政方針(村長 鎌田作郎)

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(広報とどほっけ、七十六年五月号より要約)
 本年度の予算編成にあたりましては村の経済を支えている漁業を中心に地元産業の振興を図り、基盤整備を前年に引続き実施いたします。
 先づ、椴法華港湾の整備につきましては本年度からの第五次五ヵ年計画策定により昨年実施した箇所の続きを胸壁の嵩上げとテトラの据付を行います。また浜町地区船揚場二ヵ所の補修、一ヵ所の新設を実施して安全操業の確保を図ります。育てる漁業を目標に栽培漁業の振興、昆布漁場の造成、ウニの移殖、昆布、ホタテの養殖を促進し、更にウニの養殖についても試験の結果を待って促進してまいります。
 尚、大型魚礁の投入につきましても昨年に引続き実施されるよう関係機関に働きかけ生産の向上を図ってまいります。
 商工会の運営につきましても育成強化を図り経営の近代化、合理化の促進を図ります。また観光問題でありますが恵山荘内外の整備を図ると共に水無地区に小規模駐車場を整備して、シーズン中の混雑を緩和し、隣町御崎地区との道路開さくにつきましても強力に働きかけ基盤の整備を図りたいと存じます。
 次に、住民の生活向上でありますが、明るく幸せな毎日を過すためには、先づ健康であることが第一条件であります。
 当村の国民健康保険事業によりますと被保険者一人当りの医療費は渡島管内の他町村と比較して著しく高くなっており、受診率につきましても高い方の位置にあります。これは種々原因があるかと思いますが、住民の健康管理を指導する常駐保健婦が欠けている点も大きな要素であると思います。
 昨年来、保健所とも連絡をとりながら補充を考えておりますが適任者がなく苦慮しているところであり、住民には迷惑をかけて誠に遺憾にたえませんが補充がつくまでは保健所より派遣をお願いして定期検診の徹底を図り住民の健康管理に努力します。
 交通安全対策につきましても施設の整備改良を図り、本年はセットカーを配置し、家庭、学校、地域、職場等関係機関とも密接な連携をとりながら事故死ゼロを目指して強力に推進し、運転者、歩行者の意識を高めてまいります。
 また出稼ぎ対策でありますが本年より計画をたて議会と協力しながら就労先を訪問し実態を把握して雇用条件の完全実施、安全管理等も促進してまいりたいと存じます。
 元村地区に生活館を新築し、住民の福祉向上に役立てたいと存じます。
 消防施設につきましても、昨年は皆様の深いご理解のもとに新庁舎が出来上りましたが本年は署員を一名増員し、広報車を配置、無線の装備もほどこし、防火水槽一基を元村地区につくるなど予消防に万全を期したいと存じます。
 次に、生活環境の整備でありますが、今日住民が最も要望しているものは快適な生活環境であります。特に道路や排水側溝の整備であります。今後は支線関係の整備を逐次進めていかなければなりませんが、本年は道路について島線を、排水側溝については矢尻川を中心に銚子、浜町地区を整備してまいります。また本年は当村にとりまして旧尾札部村より分村してから開基百年にあたり、極めて意義の深い年であります。当村の歴史をふりかえってみますと、遠く明歴元年先駆者によって今日の輝かしい椴法華に発展してきたのでありまして、私は先人の方々の御苦労と偉業に対して心から感謝すると共に先祖から受け継いだこの大いなる遺産を大切にし、今後とも住民と自治体が一心同体となって開基二百年に向ってより豊かな椴法華村の建設に全力を傾注する所存であります。
 以上、村政執行に対する私の所信を申し述べましたが、財政危機に直面しております地方自治体にとって本年は試練の年であります。真の地方自治確立のため私は全職員ともども最善の努力を傾けてこの難関を乗り切る決意でありますので何卒一層の御協力を賜りますようお願い申し上げまして終りといたします。
 ・開基百年記念事業の概目
 椴法華村の歴史は遠く明歴の昔、先人が足跡を印したことから始まり、明治九年、現在の南茅部町字尾札部村から分村し戸数、七十八戸、人口、四百三十人の小村落であった。コンブ、イカ、タラなど海の幸を求めて人々が移住し、当時、恵山魚田といわれる魚の宝庫であり漁民達が卓抜雄渾な構想をもって開拓し、きびしい自然とたたかいながら粒々辛苦を重ね、たゆみない努力の積み重ねによって今日に至っている。
 昭和五十一年五月八日、開基百年記念事業を企画推進するために椴法華村開基百年記念事業推進委員会が設置された。この委員会は総務部、企画部、文化部、体育部からなり各種記念事業を円滑かつ効率的に推進するためのもので、委員には村長、議会議員の外に各種団体並に一般住民の代表者によって構成され村民総ぐるみによって次のような記念事業、行事が計画実施された。
  ○記念事業関係(総務部)
    椴法華村発祥の地 記念碑建立除幕式 九月十一日
    記念式典 九月十四日 小学校体育館
    祝賀会 九月十四日 小学校体育館
    生活館建設 元村地区
  ○パレード、広報関係(企画部)
    百年記念村民総ぐるみ交通安全パレード 七月三日
    百年記念祝賀パレード 雨天により中止
    百年記念広報特集号発刊
  ○文化関係(文化部)
    郷土資料の収集 六月下旬
    村民憲章、村の木「とどまつ」村の花「恵山つつじ」 八月三十日制定
    椴法華音頭保存(レコード化) 九月十日
    開基百年記念演芸の夕べ 九月十四日 小学校体育館
    開基百年記念敬老会 九月十五日 恵山荘
    村史年表発刊 十月 村内全世帯に配布
    文化祭 十月二十七日から十一月三日まで 青年研修所
  ○スポーツ関係(体育部)
    バレーボール大会 六月二十日 中学校体育館
    卓球大会 七月十八日 小学校体育館
    ソフトボール大会 小学生 八月九日
     一般地区別対抗 九月五日 ともに小学校グラウンド
    相撲大会 小・中学生、一般 八月十二日 小学校グラウンド
    地区別対抗野球大会 一般男子 八月十三・十四日 中学校グラウンド
    舟こぎ競争 個人戦 地区別対抗リレー 九月十六日 椴法華港内
    村民体育祭 十月三日 小学校グラウンド
    村民ハイキング 十月十七日 恵山高原