目次
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第五編 産業
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第一章 水産業
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第一節 昆布漁業
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一 前松前藩時代の昆布漁業
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(一) 昆布の採集と種類
昆布の採取方法
507 ~ 507 / 1354ページ
『
北海随筆
』によれば「五月よりは
昆布
にかかり其場所々々へ船出せり(中略)此業六月中迠に仕廻りて七月よりは一同に休み」と記されており、旧暦の五月から六月にかけて
昆布
採取が行われていたことが知られる。また同書によれば「是を取事いと心易き業にて海底より刈り取る」とあることから考え、元文年間(一七三六-四一)ごろには、鎌のような物を使用して
昆布
を刈り取っていたものと推定される。
その後、
昆布
の採取方法は次第に各地で研究改良されたらしく、前松前藩時代の末ごろに
箱館
・
尾札部
方面の海岸を歴遊した
菅江真澄
の紀行文『
ひろめかり
』によれば、鍵・捻棹・潜鍬・投げマツケ等を使用していたことが知られる。潜鎌というのは、頭に布製の潜頭巾をかぶり、柄の短い鎌を持って水中に潜り
昆布
採取をするものである。「投げマツケ」は捻棹の届かない深い海中に流れ集まる
昆布
を取り上げるために使用されたものである。
「
蝦夷
の手布利」
昆布
採収用具