昆布製品と値段

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 村山伝兵衛は文化四年(一八〇七)以後の海産物についてまとめ松前奉行に報告したが、その時の控である『松前産物大概鑑』によれば、昆布の製品名と値段について次のように記されている。(函館図書館の解説書では文化年中の記録とされている。また下げ札については「松前町史」では、弘化二年ごろの加筆とされている。)
 
    松前産物大概鑑
     昆布類之部
  一、シノリ昆布、直段、壱把ニ付銭百五十文位。
    是ハ幅壱尺位長サ四間五間位之昆布五枚結、或者短尺之方者拾枚結ニ御座候是を壱把と唱へ申候。
  一、三ツ石昆布、直段[砂金拾匁此銭六貫文ニ付]め方八拾五貫匁位
            [場所賣付小判壱両ニ付]め方百廿貫匁位
 
   下ケ札
   近年者追々高直ニ相成候間、百石目ニ付金六拾
   三四両程自五拾六七両、夫ヨリ四拾五六両迄ニ
   賣買仕候

    是ハ東蝦夷地ミツイシ・シツナイ・ウラカワ・シヤマニ・ホロイツミ・アツケシ郡而ミツ石昆布ト申銘目ニ御座候、右出高ニ寄リ直段少々違モ御座候、昆布細ク壱把め方四貫五百匁位壱丸ニ御座候。
  一、元揃昆布、直段、壱把ニ付銭弐百文位自弐百五十文位迄是ハ壱把五拾枚結、三所結トモ申、長サ五尺位ニ折五十枚を三所結申候。
  一、江差昆布、直段、[砂金壱匁此銭六百文ニ付]八拾駄自九拾駄位迄、是ハ江差近在自出産、壱駄ト申ハ小把四把ニ而め方七十匁位。東西在ニ出産
  一、雑昆布、直段、壱丸め方弐貫弐百匁位ニ而銭ハ拾文位是ハ長崎俵物買込ニ御座候。
 
   下ケ札
   是者御料中ニ追々唐方向ニ相成候ニ付其後ヨリ当時
   共ニ長崎御用買上ケ無御座候。

  一、赤昆布、直段、壱把ニ付銭百五十文位是ハ五拾枚結、長サ弐尺位ニ折弐所結ニ而壱把ニ御座候。
  一、若和布(ワカメ)、直段、[目形拾貫匁ニ付銭四百五拾文位自弐百五十文位迄高下御座候]