外国船来航の概観

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 文化四年(一八〇七)五月六日、箱館の商人和賀屋宇兵衛の持船が魚積取りのため、矢尻浜(椴法華村矢尻浜沖)に沖掛りしている時、『外国船とも思われる船を見た』と『十五日に届出があった』と『休明光記』に記されているが、鎖国中の日本(蝦夷地)にこのように外国船が出現している目的・理由は何によるものであろうか、その前後の様子はどのようになっていただろうか。
 イタリア人マルコポーロの話を書いた『東方見聞録』の記録に示された、ジパングー・金銀島を探索するために、オランダ船カストリウムが厚岸に来しこれをかわきりに、イギリス・ロシア等の船がさまざまなねらいをもって、蝦夷地沿岸にしきりに姿を見せるようになった。