東広島市立図書館/東広島市デジタルアーカイブ
③郷土料理はどうやって
「ふるさとの味」になるの?
「ふるさとの味」は気候だけで決まるのでしょうか。
西条町の「ふるさとの味」である「美酒なべ」を通して考えてみましょう。
みんなは「美酒なべ」ってどんな料理か知ってるかな?
どんな材料が必要かな。名前から考えてみよう。
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「美酒」って書いてあるから、お酒に関係した料理じゃないかな?
のん太はまだ子どもだから、食べちゃいけないのかなあ。
「なべ」だから、きっと東広島のいろんな野菜や肉などの特産物も入っているんじゃない?
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「美酒なべ」の作りかたをしょうかいする動画を見てみましょう。
【資料】美酒なべの作り方を紹介する動画
(出典:ダイヤモンドライフYouTubeチャンネル
日本酒を使って、いためるんだね。 お肉や野菜やきのこもたくさん入っていて、おいしそうだね! いためることで、アルコールがぬけるから、子どもでも食べられるんだって。
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作り方をかくにんしましょう。
【資料タイトル】美酒鍋の材料と作り方 【資料】美酒鍋の材料と作り方
(出典:東広島市HPをもとに作成)
おいしいお酒を使って作るから「美酒なべ」というんだね。
だれが「美酒なべ」を考えたんだろう?
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「東広島市西条町は、灘、伏見と並ぶ酒どころと知られておりその昔、杜氏のもとで酒造りに取り組む蔵人達が仕事の合間に食べていた鍋料理のことを言う。」 「漢字表記した場合の読み方は「びしゅなべ」であり、ひらがな表記した場合には「びしょなべ」としていることが通例です。」 (出典:中国四国農政局HP ※現在は存在せず)
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杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと、くろうど)というのは日本酒をつくる人たちのことだよ。 「美酒なべ」とは、杜氏や蔵人が仕事で作るお酒を使って、自分たちの食事のために、あり合わせの材料で作る「まかない料理」だったんだね。 あれ、「美酒なべ」は「びしょなべ」って読むんだね。どうしてだろう?
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東広島市を中心に、広島県にはたくさんの酒づくりに関する歌が残っています。
歌から「びしょ」の意味を考えてみましょう。
【資料タイトル】広島県の酒づくりに関する短歌 【資料】広島県の酒づくりに関する歌
(出典:『広島県の民謡』より内容の一部を抜粋して作成)
歌の中に「びしょすりゃ」という言葉が出てくるね。 これはどんな意味なんだろう?
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酒蔵の杜氏さんに聞いてみました。
「びしょ」とは酒蔵ではたらく蔵人たちのこと、あるいは蔵人の仕事のことを指す言葉なんだ。 「びしょすりゃもろみがかかる」という歌しがあるよね。
これは、びしょびしょになってもろみが体につくほど一生けん命にお酒をつっていた蔵人たちの大変さを表す歌なんだ。
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「ふるさとの味」は、気候や自然からだけで生まれるのではなく、地いきのれきしや文化によっても生まれてくるんだね。
「美酒なべ」は、西条の水や米からうまれるお酒、地元でとれる野菜や肉、そしてそこに酒づくりのれきしや文化が足されて「ふるさとの味」になっていったんだ。
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