東広島市立図書館/東広島市デジタルアーカイブ
③どうして東広島市では
土砂災害がくり返し起きているのだろう?
東広島市の災害年表では、これまでに土砂災害がくり返し起きてきたことがわかりました。
どうして土砂災害が何回も起きるのか、土地のせいしつや形からさぐってみましょう。
まずは土地のせいしつに注目してみよう。
下の図は東広島市の土地のせいしつを色ごとに表したものだよ。
一番広いのは何色だろう?
のんたの画像 画像 【資料】東広島市の地質
(出典:産総研地質調査総合センター20万分の1日本シームレス地質図V2に基づいて作成)
ピンク色が一番広いね。
のんたの画像    画像 【資料】花崗岩(左)と真砂土(右)の写真
(2020年10月21日撮影)
 
東広島市のなかでピンク色のところは、花崗岩(かこうがん)という岩でできているところだ。花崗岩は上の写真の左がわだね。
花崗岩は、雨や太陽の熱のえいきょうで時間がたつにつれてもろくなり、砂のようにボロボロになるよ。この砂のような土のことを真砂土(まさつち)というんだ。真砂土は上の写真の右がわだね。
がけや山の中にある谷には、真砂土がたまっているんだ。そこに大雨がふると、真砂土が崩れたり流れたりして、土砂災害を引き起こすよ。
のんたの画像
地形にはどのような特ちょうがあるのでしょうか?
  
山のまわりには、次の写真のようにゆるやかなしゃ面が広がっているよ。
これは土石流がくり返し起きて、流れてきた土砂が積み重なってできた地形なんだよ。
のんたの画像    画像 【資料】山の周りに広がる緩やかな斜面の様子
(出典:横川知司氏提供)
   画像 【資料】東広島市の地形
(出典:国土地理院の地理院地図をもとに作成)
  
東広島市の山のまわりには、ゆるやかなしゃ面が広がっているよ。オレンジ色のところだね。オレンジ色のところでは土石流がくり返し起きてきたんだね。
のんたの画像  
真砂土がくずれることのほかに、土砂災害が起きる理由はないのかな?
のんたの画像
ほかに土砂災害がくり返し起きる理由はないのでしょうか?
  
  
次の写真は同じ場所のべつべつの時代の様子を写したものだよ。
1948年の写真のAの場所はどんな様子かな?
1974年の写真のAの場所はどんな様子かな?
2009年の写真のAの場所はどんな様子かな?
2018年の写真のAの場所はどんな様子かな?
写真のAの場所はどのように変わったかな?
のんたの画像 画像 【資料】2018年7月に土石流の被害を受けた新しい住宅地
(出典:米軍空中写真USA M850-56、国土地理院空中写真CCG747 C38B-21、CCG20091 C36A-23、CCG201810 C2B-10の一部を切り出して作成)
 
2018年の写真では土石流のあとが見えるね。1948年の写真にも土石流のあとがたくさん見えるよ。1948年と1974年の写真には、住たく地がないけれど、2009年の写真には、住たく地ができているね。土石流がくり返し起きるような場所に住たく地ができていたんだね。
のんたの画像   
東広島市では、平らな土地は水田に利用されることが多いよ。
だから、水田に向かない山のしゃ面には、新しい住たく地がたくさん作られてきたよ。
こうした山のしゃ面に広がる住たく地は、土砂災害にまきこまれやすいんだ。
のんたの画像
東広島市で土砂災害がくり返し起きている理由をまとめると、
①東広島市には花崗岩が多く、がけや山の中にある谷には真砂土がたまっている
②大雨がふると、がけくずれや土石流が起こりやすい
③がけくずれや土石流が起きやすいところに住たく地が作られた
④そのようなところで大雨がふり、がけくずれや土石流がふたたび起きる
⑤土砂災害によって人の命や生活に被害がでる
こういう理由があるよ。これらは深く結びついているね.
のんたの画像
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