図60 台風コースと災害特性
Aの日本海側コースは、白神山地で雨量がやや多い。このコースに洞爺丸台風や平成三年(一九九一)の台風一九号などがあって、風害が甚大であることから風台風と呼ぶことがある。
Bの太平洋コースは、八甲田山系の東斜面中心に雨量が多くなり、大雨被害が発生する。太平洋側の海上、海峡や陸奥湾内では大しけになる。このコースによる雨量分布は南岸低気圧が発達する場合も同じである。
Cの縦断コースは、県下全域で雨量が多くなり、特にコース上の地域は多雨域になっている。この場合は暴風雨の最悪コースで、人的被害はもちろん建物などの被害も発生する。台風前面の東寄りの風も、通過後の吹き返しの西寄りの風もどちらも強いが、最大風速は西寄りの風で現われることが多い。縦走した台風に昭和五十六年(一九八一)の台風一五号がある。