目次
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新編弘前市史 通史編1(古代・中世)
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第3章 古代蝦夷の時代
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第三節 律令時代の青森
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四 元慶の乱と津軽
渡嶋の終焉
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その後、寛平(かんぴょう)五年(八九三)にも、
元慶の乱
の後遺症から、
渡嶋蝦夷
と他の蝦夷との間でもめごとがあったことが伝えられているが(史料三五一)、これを最後に、「渡嶋」の名は歴史から消えていく(写真55)。
写真55『本朝往古沿革図説』
東北経営の完了とともに、渡嶋の本州部分は
津軽
に取り込まれ、北海道と深い関係をもつ方面は、古代国家と隔絶することとなる。一方、こうした
北奥
の実力者としての
津軽
の蝦夷の伝統は、中世
津軽安藤氏
に引き継がれていくこととなるのである。
なお青森県の地は、延長五年(九二七)成立の『
延喜式
』の段階になってもまだ、郡制に編入されてはいない。