学校落成式

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同年六月二十八日、完成した学校への引き移りの式典と地鎮祭が、礼式にのっとってものものしく執り行われた。家老牧野左次郎をはじめ重臣列席のもと、総司は染帷子(そめかたびら)に長の礼装で従者九人を、小司は染帷子に長で従者七人を、学頭は染帷子に麻(あさかみしも)で従者三人を、添学頭は染帷子に麻で従者二人を従え、古の儒礼を再現する形で各々の定められた役割を威儀を正して仰々しくこなしていった。この日をもって学校名を「稽古館(けいこかん)」と号することが公式に宣言されたと思われる。式典終了後、学官一同に藩主よりのお祝いとして湯漬けが下された。