昭和十七年四月から幼児は防空頭巾持参で通園し、防空演習や避難訓練を毎日のように行う。毎月八日には宣戦大詔奉戴日の式を行うまでになった。
一、宮城遙拝 一、敬礼 一、国歌斉唱 一、詔書奉読(園長) 一、祈願(園長) 神様、日本の国をお護り下さい。軍(いくさ)をして居ります日本の兵隊さんをお護り下さい。幼稚園のみんなでお願ひ申上げます。 一、祈念(一句づつ園長が先づ言い、幼児一同にて言ふ) 日本は強い この軍にはきっと勝つ 私達もきっとよい子になります 一、愛国行進曲斉唱 一、敬礼(式終了後、大きい組は神社参拝をなす)
四歳と五歳の幼児たちにこのような儀式を行うことは、幼児教育上益がなかったと思うが、時の政府・文部省の命令で教育現場ではどうにもならなかったのが実情であった。