幼稚園の廃園

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都市ドーナツ化現象と、少子化の影響を受け、弘前中心部の小学校入学児童が減少するなか、幼稚園もまたその煽(あお)りを受けた。平成四年四月東奥義塾幼稚園が、平成八年四月弘前学院聖愛幼稚園が廃園となり、平成十年(一九九八)三月、県内最古の公立幼稚園として九五年の歴史を持つ弘前幼稚園が廃園となった。最後の園児一一人、園長玉井弘、教職員四人。同幼稚園は平成十年三月二十二日卒園式挙行のあと閉園式を行った。

写真145 弘前幼稚園最後の園児11人と保護者・職員(平成9年7月)

 最後の卒園生一一人が、声を揃えて言った別れの言葉は「たくさんのお友だちが遊んだ積み木、ブランコ、砂場、みんな大切な宝物でした。とっても楽しかった弘前幼稚園。長い間ありがとうございました。さようなら、さようなら、弘前幼稚園」で、これまでの卒園者四九〇二人を一一人が代表して言った観があった。
 閉園を記念して弘前市教育委員会は、元気に遊ぶ園児二人をかたどった弘前出身の彫刻梅原正夫の「なかよし、こよし」のブロンズ像を、園庭の一隅に建立した。