東北女子大学の開学

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学校法人柴田学園では、かねてより四年制女子大学の設置を計画していたが、昭和四十四年(一九六九)二月八日、東北女子大学の設置が文部省によって認可された。すなわち家政学部家政学科が設けられ、入学者定員は一〇〇人であった。同家政学部については高等学校教諭二級、中学校教諭一級普通免許状(教科はともに家庭、保健)取得のための課程が認定された。
 同年三月一日、東北女子大学初代学長に前弘前大学学長佐藤煕が就任、三月三十一日には大学新校舎が落成、五月二十日弘前市民会館において盛大な開学式を挙行した。「仙台以北では唯一の家政学部をもつ大学で、高校から大学まで家政学に一貫した学園の教育体系はここに成り、学祖の遺志が没後二十年にして果たされた」(学校法人柴田学園『五十年の年輪』)と、同校関係者はその感激を述べているが、これは大正十二年二月各種学校の認可を受けて、弘前和洋裁縫女学校として発足し、苦難の末、東北女子短期大学を創設して、開学式に壇上で急逝した故柴田やすの遺志を実現した感激でもあったろう。
 東北女子大学は、昭和四十九年四月から家政学科のほかに、児童学科を増設した。これは東京以北唯一の児童学科として注目される。定員は六〇人で、その卒業者は、小学校教諭一級普通免許状、あるいは幼稚園教諭一級普通免許状を取得することができた。
 さらに、昭和六十年には家政学専攻科を開設、平成十三年四月には家政学科に情報コースを設置した。

写真207 東北女子大学(豊原・昭和50年頃)