第四次弘前市総合開発計画の策定

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平成三年(一九九一)弘前市は第四次弘前市総合開発計画を策定した。これは、それまでの総合開発計画が平成二年度をもって終了することによるもので、目標年次を平成十二年とする長期計画であった。新計画策定の意義は、次のように述べられている。
 三次にわたる計画に沿って、約二十年間重点的な公共投資がなされ、道路・河川・下水道等の生活関連施設及び福祉・文化施設等は相当の充足をみることができた。反面、それらの管理が大きな比重を占めるようになってきており、施設の維持・管理と新たな建設との調和が課題となっている。
 また、国内経済構造の内需主導型への転換と二十一世紀に向けての大きな流れである高齢化、情報化、国際化か進展する中で、時代に即応した住民ニーズを的確に捉え、かつ、市街地をとりまく都市構造の一層の構築、農村生活環境の整備など、新たな地域課題への対応が必要となった。
 一方、それぞれのまちが個性を模索している中で、弘前には弘前らしさが必要である。何が弘前らしさか、古さの保存のみにこだわることなく、新しさの中にも個性を持ったまちをつくりあげて行かなければならない。
 本市の大きな節目となる市制施行一〇〇周年の記念すべき年に元号が昭和から平成に変わった。行政、民間が連携しあって、弘前二十一世紀を飛躍し進む基本的方向として新たな総合開発計画を策定する。
(前掲『第四次弘前市総合開発計画』)

 新計画が目標とする都市は「調和と活力のある人間居住環境の創造」とされた。これは、豊かさの指向に加えて、安心なくらし、協調、自主性があり、文化性を高め、楽しいまちをつくることを総称した目標であった。また、都市像として掲げられた三つの点はこれまでの計画と同じものであった。
 産業の振興に関しては、弘前市は平成二年(一九九〇)時点で、第一次産業の比率が一七・八%、第二次産業比率が一八・七%、第三次産業比率が六一・六%と第三次産業の比率が高く、また、第二次産業は漸増、第一次産業は減少という傾向にあるものの、類似都市に比べて市域の産業活動の規模が小さく、このため、相対的な経済格差が生じているとする。このため、①生産性の高い農業を確立する、②活力のある工業を振興する、③魅力のある商業を創出する、④新しい産業への対応という政策目標を掲げ、これに対応した方向を目指すべきことがうたわれている。