下水道の整備の方向

749 ~ 750 / 965ページ
弘前市の公共下水道は、昭和三十七年度に藩政時代からの既成市街地を中心に処理面積七二四・六ヘクタール、処理人口五〇〇〇人を対象に事業着手し、着実に事業の促進を図ってきた結果、当初の計画目標を完了し、昭和六十三年に処理面積三八一三ヘクタール、処理人口一六万四〇一〇人に計画を拡大変更した。

写真225 公共下水道建設事業始まる(昭和37年)

 また、昭和五十四年度には弘前市をはじめとする二市三町一村が一体となって整備する岩木川流域下水道事業が着手され、昭和六十二年度に下水道の中心施設である岩木川浄化センターの第一期工事が完成したことにより、当市の下水道事業促進に大きな拍車をかけた。この結果、平成元年度末では汚水管の総延長が二五五キロメートルに及び、処理面積一四四一ヘクタール、処理人口八万八二二〇人にまで拡大され、総人口普及率は五〇・一%と国の水準及び他の都市に比べ高い水準にある。
 しかし、昭和六十一年度を初年度とする第六次下水道整備五ヵ年計画の進捗の中で、国の内需拡大策に基づき大幅な国費導入がなされたことにより、幹線管渠が先行し枝線管渠がこれに追いつかない状況にあり、面整備の跛行の解消が求められているとともに、農村集落への普及拡大が求められている。
 下水処理場は、汚泥処理施設の一部を除き水処理施設の整備は完了し、河川の水質保全に大きな役割を果たしているが、建設当初の施設は老朽化が著しくその対策が求められている。市街地内の浸水防除のための雨水渠の整備により、土淵川及び寺沢川水系の浸水常習地帯の解消が図られたが、城東地区、松原地区及び千年地区等の新市街地の浸水防除が課題となっている。
 下水道管理財源は、下水道使用料収入、一般会計繰入金等からなっているが、大幅な設備投資及び施設の維持管理費の増大等により、平成元年度に資本費の一部を加えて使用料の引き上げ改定がなされた。しかし、引き上げ幅の関係から、適正使用料との間に段階的改定の方法をとっているため、その調整が課題となっている。