98シーズン目
【協会】 日本、IRB常任理事国となる 1970年代から国際交流が活発になった結果、1996年10月ローマでのIRB総会で日本、カナダ、イタリア、アルゼンチンがIRBの常任理事国として承認された。金野滋専務理事がIRB常任理事に就任した。/タグラグビーの導入 普及育成委員会が中心となり、どこでも誰でもラグビーボールで楽しめる競技「タグラグビー」が導入された。/明大北島忠治監督逝去 昭和4年度(1929年度)、明大卒業と同時にラグビー部監督に就任した北島忠治監督が5月28日に95歳で逝去された。チューさんといえば明大監督のイメージだが、長年日本協会理事、関東協会理事長などを歴任され日本ラグビー界への貢献は大きい。67年間にわたり続けて大学の監督を務めた例はラグビー以外のスポーツでも類を見ない。“チューさん”の愛称で親しまれた名監督の死に明大ラグビー部はこのシーズン大学チャンピオン獲得で報いた。【ルール】 アマチュア規定が競技規則から削除され、「スクラムは8人で組み、終了するまで離れてはならない」と決められた。
【日本代表】 パシフィック・リム選手権始まる(2勝4敗) 世界のトップエイトとの距離を縮めるため、力が均衡するアメリカ、カナダ、香港とホーム&アウェーで、各2試合を戦うパシフィック・リム選手権を創設した。第1回は香港とアメリカに1勝したが、4敗を喫し最下位に終わった。
第1回パシフィック・リム選手権
★129 | 1996.5.11 | ○日本代表 | 34−27 | ●香港代表 | 秩父宮 |
★130 | 1996.5.18 | ●日本代表 | 9−33 | ○香港代表 | 香港アバディーン |
★131 | 1996.6.9 | ●日本代表 | 18−45 | ○カナダ代表 | 秩父宮 |
★132 | 1996.6.16 | ○日本代表 | 24−18 | ●アメリカ代表 | 秩父宮 |
★133 | 1996.7.6 | ●日本代表 | 5−74 | ○アメリカ代表 | ボクサーSt. |
★134 | 1996.7.13 | ●日本代表 | 30−51 | ○カナダ代表 | サンダーバード |
第15回アジア大会に3連覇 日本代表は、中華台北で開催された第15回アジア大会で、決勝で韓国を41−25で下し3連覇を達成した。この大会は国籍を出場資格としたため外国籍の選手は代表に選ばれなかった。
【選手権】 東芝府中が初の日本一 第34回日本選手権で、東芝府中が明大を69−8と一方的に破って初の日本一に輝いた。
【大学】 大学は明大が連覇 第33回大学選手権決勝は、2年連続の早明対決となってファンを沸かせたが、明大が粘る早大を32−22で破り、2年連続12回目の王座についた。/対抗戦は明大、リーグ戦は関東学大が優勝 第67回関東大学対抗戦は明大が全勝で2年ぶり24回目の優勝を遂げた。早大が25回の最多記録を保持しているが尻に火が点いた格好である。以前ご壮健だった北島忠治監督に早明戦で勝ち「日比野、だいぶ借りができたな」と言われたことがあるが、まさかこんなに早く借りを返されるとは思ってもみなかった。北島監督はすごい。メイジは強い。第30回関東大学リーグ戦は関東学大が7戦全勝で6年ぶり2回目の優勝。/関西は同大、九州は福岡大が優勝 第68回関西大学リーグ戦は7戦全勝で同大が2年連続40回目の優勝を果たした。/第4回九州大学リーグ戦は福岡大が7戦全勝で優勝を果たした。
【社会人】 東芝府中が制覇 東芝は安定した試合運びを見せ、第49回社会人大会で三洋電機を36−21で制し9年ぶり2回目の優勝を果たした。予選プールからの6試合で、三洋戦の15点差が一番の僅差だったことでもわかる。三洋電機は準決勝で、宿敵神戸製鋼を28−16で倒し溜飲を下げたが、決勝で東芝に苦杯をなめた。神戸製鋼は宿敵三洋電機に敗れて、社会人大会で2引き分けを挟んで34の連勝で終わった。/東日本は東芝府中、関西は神鋼、西日本はマツダ 第9回東日本社会人リーグは、東芝府中が6勝1敗で2年ぶり3回目[通算4回目]の優勝。/第39回関西社会人Aリーグは、神戸製鋼が7勝0敗で2年ぶり9回目の優勝。/第25回西日本社会人Aリーグは、2年連続でマツダと日新製鋼が6勝1敗で並んだが、この年も直接対決を制したマツダが2年連続7回目の優勝。
【地域】 第36回三地域対抗で関東代表が5年ぶり15回目の優勝を遂げた。/第51回学生東西対抗は関東が55−50と5点差で関西を下した。/第47回朝日招待は九州代表が55−48で明大に勝利を収めた。接戦ではあるがハイスコアゲームが多くなっている。
【その他】 地区対抗は武蔵工大、教育系は広島大が連覇 第47回地区対抗大会は武蔵工大が35−32で徳山大に苦しみながらも2年連続2回目の優勝を達成した。第32回教育系大学大会でも広島大が12−5で静岡大を下して2年連続5回目の優勝に輝いた。/高専は宮城工専の連覇、高校は西陵商が初優勝、クラブは六甲の連覇 第27回高専大会は宮城工専が27−3で神戸市立工専を下して2年連続4回目の優勝、第76回高校大会では西陵商が26−25と1点差の激闘を制して初優勝、山田耕二監督を胴上げして喜びを爆発させた。第4回クラブ選手権は六甲クラブが25−15で千里馬クラブを下し連覇を達成した。/国体は成年が愛知、少年は福岡が優勝 第51回広島国体は広島市と東広島市で開催、成年の部は愛知県(全愛知)が29−24で広島県(全広島)を下して優勝、少年の部は福岡県(全福岡)が37−22で島根県(全島根)に勝って優勝した。
【セブンズ】 第2回WCセブンズ(香港)で、日本代表はボウルトーナメント決勝に進出したが28−40でアメリカに負けた。
【国際】 英国バーバリアンズ来日 6月に英国バーバリアンズが来日、阪神淡路大震災チャリティマッチを2試合行った。関西招待76−66、神戸製鋼63−43。/6月に九州代表がNZ遠征(1勝1敗)。/6月に日本学生代表代表が第3回学生ワールドカップに出場、イングランドに勝って1勝2敗、別に強化試合でウエールズに1勝して帰国した。/8月17日、神戸製鋼元木由記雄が英国バーバリアンズのメンバーとしてスコットランドと対戦(48−45)した。/12月にU19アジア選手権決勝で韓国を28−17で破り優勝(4勝)した。/3月、全早大イングランド・アイルランド遠征(2勝3敗)。/6月、女子香港代表来日(2勝)。/11月、女子アメリカ北西太平洋沿岸代表(ロジャーズ)来日(3勝)。/高校代表海外遠征 3月に第22回高校日本代表のスコットランド遠征(5勝0敗)を実施した。