美馬町・寺町コース
①願勝寺
国登録有形文化財(願勝寺山門)
県指定名勝(願勝寺庭園)
真言宗御室派。大宝元(701)年、福明律師(忌部五十麿)が祖父の菩提を弔うために維摩寺として建立し、のちに福明寺へと改称され、その後現在の願勝寺へと名称を変更しました。 【願勝寺山門】柱に彫刻がされた珍しい門です。 【枯山水の庭園】南北朝時代の築造とされる四国最古の池泉式枯山水の庭園です。庭園の滝の石組みは、鯉が滝を登り龍となる「龍門瀑」を表しています。 【二代目 臥鶴の松】全体の姿が、鶴が臥している姿に似ていることから、仁和寺宮嘉彰親王の命名により「臥鶴の松」と呼ばれるようになった。初代の松は平成5(1993)年に松くい虫によって枯れたため、現在の松は境内の南東隅にあった松を植栽した二代目です。 【常夜灯前の石】美馬町で白鳳時代に創建された徳島県最古の寺院 立光寺(郡里廃寺)の金堂の礎石と伝えられています。 【美馬郷土博物館】徳島県最初の博物館として、昭和32(1957)年に願勝寺境内に開設されました。美馬町の、昭和17(1942)年に指定された徳島県初の国指定史跡である古墳群「段の塚穴」や、県内最古の寺院跡として昭和51(1976)年に国史跡に指定された「郡里廃寺跡」からの出土品が展示されています。
②林照寺
浄土真宗本願寺派。寺伝によると、永正17(1520)年に、安楽寺第8代住職 願証の弟、林証が開基したといわれています。資料によっては、1673年に創建されたという説もあります。毎年秋頃には、半世紀もの歴史を持つ菊花展が開催されています。 【林照寺山門】昭和39(1964)年建立の桃山様向唐門で、なだらかな曲線を持つ門構えが特徴です。門を入った西側には銀杏の大木があり、再建された本堂に映えて美しい景観を見せています。 【林照寺本堂】本堂は昭和60(1985)年に鉄筋コンクリート造りで再建されました。 【蛙の石像】林照寺の南側にある蛙の像。親蛙と背中の子蛙5匹を合わせて全部で6匹おり、“迎える(六蛙)”の語呂合わせになっています。
③安楽寺
国登録有形文化財(安楽寺本堂・安楽寺書院・安楽寺鐘楼・安楽寺山門)
浄土真宗本願寺派。寺伝によると、安楽寺は平安時代に真如寺という天台宗の寺院でしたが、正元元(1259)年に千葉彦太郎常重が入寺し、浄土真宗へと改宗され安楽寺が誕生しました。 【安楽寺山門】「赤門寺」と呼ばれるほど親しまれている朱塗りの重層門は、県下五大門の一つに数えられています。門の外側には鬼、内側には蓮の花が装飾され、外は地獄、中は極楽を表しています。 【安楽寺本堂】本堂は昭和3(1928)年に再建工事が始まり、昭和13(1938)年に完成しました。本堂の天井には、住職と親交のある画家 中堀慎治さんが描いた龍の水墨画が掲げられています。 【天邪鬼】本堂の屋根を支える柱を、縁の下から持ち上げています。 【安楽寺の能舞台】平成8(1996)年に誕生した、安楽寺の客殿にある徳島県唯一の本格的な能舞台です。床を足で踏み込むと、音が共鳴する造りになっています。能や狂言の鑑賞会が開かれています。