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(九四)空海

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 空海眞能(能阿彌と稱し、鷗齋又は春鷗齋と號した)の小姓で、右京(茶人系傳全集は右近に作る)と稱した。(南坊錄)壯年の時、【茶道を能阿彌に學ぶ】茶湯を能阿彌に受け、後俗塵を厭ひ、剃髮して堺に居住し、空海と稱し、大林宗套に參禪した。(茶人系傳全集、茶事談、茶人大系譜)世人弘法大師と同名なるを嗤ふたが、空海は世には釋迦院、阿彌陀院と名づくるものさへあるに、弘法の名何か苦しからんと答へた。【交友】荒木道陳と親交があり、衣食の資を得、能阿彌から傳へられた茶湯を悉く道陳に傳へた。(堺鑑下)