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蜂起の起因

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 この蜂起は、アイヌ民族内のメナシウンクル(東方衆)に属するシャクシャインを首長とするシベチャリ(現静内)の地域集団と、シュムウンクル(西方衆)に属するオニビシを首長とするハエ(現門別)の地域集団との間のイオル(漁猟圏)を巡る紛争が発端となったものである。さらに松前藩商場知行制によって、アイヌの取引が知行主の商場内に限定され、しかも米など取引の数量を減らす不等価交換が行われ、かつ鷹場、金掘などによりアイヌ漁猟圏が荒らされ、さらに鷹用の餌犬の飼育などの、労力の負担を課せられることに対する積年のアイヌの不満も重なり、また私欲による和人アイヌへの煽動もあって、アイヌ間の紛争が、反和人、反松前藩への戦いへと変化していったものである。