写真-2 「諸職人移住相願候もの凡見込調」(札幌往復 道文335)
『辛未歳市中人別申出綴』によると、函館からの移住者は二一戸で、このうち招募による函館からの移住者は一四戸である。ところで開拓使はこれら招募の商人に対し、家作料一〇〇両の給与を自移工商民と同様に無利息一〇カ年賦貸与に切り換えた。そのため函館からの移住の中で二戸は家作料借用を辞退した。このことで函館からの募移工商移民は一二戸とされている。しかし家作料借用を辞退した二戸も後日町役人の配慮でやはり家作料を借りている。
函館招募の工商人の職業は、畳指、仕立、染物、髪結、荒物、料理、寿司、菓子、湯屋、旅館などである。そして創成町東西一~二丁目に店を持ったものが多い。また札幌に来て職を変えた人もおり、中には貸座敷を営む人も出ている。