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学校の経営

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 以上の諸項をふまえ、十五年七月から十六年六月に至る年度の各校の収支予算を示すと表5~7のとおりである。
表-5 町村立小学校予算調【収支】(明治15.7~16.6)
学校名収 入支 出差 引
藻岩学校1743円6501743円6500円000
藻岩学校第一分校667.410667.4100.000
山鼻学校2514.078789.000+1725.078
円山学校58.20076.000-17.800
琴似学校2165.542993.540+1172.002
手稲学校231.752103.000+128.752
白石学校190.060159.500+30.600
月寒学校157.800157.8000.000 
苗穂学校165.840165.8400.000 
丘珠学校103.900103.9000.000 
篠路学校106.000106.0000.000 
1.白石学校の差引は4銭合わない。
2.『札幌県治類典』(道文7505)より作成。

表-6 町村立小学校予算調【収入の部】(明治15.7~16.6)
学校名繰越金補 金授業料協議費積金利子その他合 計
藻岩学校300円000424円600994円68424円3661743円650
藻岩学校第一分校312.000168.000187.410667.410
山鼻学校1422円258672.00083.700336円1202514.078
円山学校36.00022.20058.200
琴似学校1174.131720.00053.550187.86130.0002165.542
手稲学校128.91536.00026.40040.437231.752
白石学校5.50036.00099.06049.000190.060
月寒学校36.00022.80084.00015.000157.800
苗穂学校36.00048.00081.840165.840
丘珠学校24.00032.90047.000103.900
篠路学校36.00010.00060.000106.000
合 計2730.8042244.000991.2101454.934564.418118.3668103.732
1.「その他」は農産物売却代金、諸入金など。
2.白石学校の合計は50銭合わない。総計は横計によった。
3.『札幌県治類典』(道文7505)より作成。

表-7 町村立小学校予算調【支出の部】(明治15.7~16.6)
学校名教員給料諸給料恩 賞需要費営繕費その他合 計
藻岩学校856円000396円00020円000403円40050円00018円2501743円650
藻岩学校第一分校312.00078.00010.000213.41054.000667.410
山鼻学校576.00082.50010.00035.00030.00055.500789.000
円山学校54.0003.0008.0006.0005.00076.000
琴似学校708.00078.00010.000147.54040.00010.000993.540
手稲学校60.0005.00013.0005.00020.000103.000
白石学校132.0007.00020.500159.500
月寒学校108.0004.0005.00026.00012.8002.000157.800
苗穂学校120.0005.0009.84031.000165.840
丘珠学校84.0002.80015.0002.100103.900
篠路学校96.0007.0003.000106.000
合 計3106.000638.50077.800898.690179.900164.7505065.640
1.「その他」は賄料(藻岩)、借家料(藻岩第一)、諸雑費(円山・琴似・上手稲)などよりなる。
2.『札幌県治類典』(道文7505)より作成。

 まず収入からみると、補金は前述のような事情で山鼻・琴似両校が群を抜いて高額で、他の村落部学校はもとより、はるかに規模の大きい都市部学校の倍以上になっているが、次年度は各三〇〇円に減額されている。他の村落部の学校は三六円か二四円となっている。
 授業料単価については、各学校ともそれほど大きな差はなく、生徒数に応じての収入を見積ったということであろう。協議費については、この時点で徴収していない村が山鼻・円山・琴似・上手稲白石の五校分ある。このうち屯田兵村の二校および上手稲学校が積金利子を計上しており、おそらくこれとの関連であろう。
 支出については、当然ながら教員に関する人件費が大半を占めている。その他の経費を十分確保できる余裕がない以上、このようにならざるを得なかったとみられる。そして収支で特筆すべきはやはり屯田兵村の両学校で、大幅な黒字を翌年に繰越している。