札幌での電話の設置は、まず役所間の電話として設置された。札幌での電話の開始は十三年十二月八日、手宮・札幌間の鉄道開通にともない設置された鉄道の専用電信線が十六年九月に電話線に変更されて開通したことである。その後十六年札幌県庁と札幌県監獄署との間に設置された。その後札幌区内では、二十二年札幌農学校・同附属農園間、二十三年北海道庁・札幌農学校間、同・札幌屯田司令部間、同・札幌区役所間、同・真駒内種畜場間、二十四年認可同・札幌一等測候所間、同・札幌停車場間、二十七年札幌郵便電信局・札幌一等測候所間が設置されている。
一般の電話設置は、その後二十八年の帝国議会の電話民営論などが起こり、第一次電話拡張計画というものが策定され、促進されたようである。これが一体どこで作成されたものなのか、帝国議会での議論とどのように結び付くものなのかは不明である。しかしこの計画の中に、札幌への電話架設があったようである。三十二年その計画の実行のため、三月電話架設実施調査に利根川守三郎が派遣され、五月には調査を終了した。開局は札幌が七月二十六日の予定であったが、交換機械の遅着のため、翌三十三年三月一日に交換を開始した。全国一一番目の電話交換開始であったという(北海道の電信電話史)。